Click here to view English coverage
その10人は、マキシン・ウォータース議員の事務所スタッフであるショーン・フレミング・ジュニア、非営利団体「高齢者を守る会」(旧、敬老を守る会)のレイ浜口、アデル・ラッツ、堀尾誠治、モー西田、チャールズ井川、デビッド渡辺、入江健二、池田啓子、松元健の各氏。証言者にはそれぞれ3分間与えられ、売却プロセスの問題点、その現在への影響などについて証言し、スーパーバイザーたちは真剣に耳を傾けた。
◎証言者の声ー敬老は最後の止まり木
社会学博士でUCアーバインで教べんをとっていたチャールズ井川氏は「サービス提供の対象が日系アメリカ人であるヘルスケアシステムにおいて、敬老は根本的に間違ったマネジメント戦略を立てた。
医師の松元健氏は「今回の売却は敬老から提出された不備・不正としかいいようのない情報をもとに審査され、信用責任は放棄され、適切な注意が払われていない状況下で行われた」と指摘し、「売却はまったく必要ではなかった。敬老マネジメントが売却の根拠として示したのは、日系社会を構成する人たちの変動の実態とメディケア・メディカルの支払いシステムにおける変更のみ。
南加庭園業連盟の堀尾誠治氏は、日系アメリカ人や戦後に移住した日本人たちがガーデナー(庭園業者)として懸命に働き、アメリカ社会に大きく貢献してきた歴史について話し、「私たちは子どもたちの教育のために一生懸命に働いてきた。敬老で老後を過すことが私たちの望みだった。敬老は最後の止まり木だと考えていた」と訴えた。
さらに、多くのボランティアたちが辞めていることから、先祖から引き継がれてきた伝統やしきたりに根ざした日本の文化的な活動が十分に提供されなくなったと話し「言語の能力、スタッフやボランティアの働きがなければ、文化的なサービスが継続されるのは不可能だ」と伝えた。
医師の入江健二氏は、池田氏の言葉に同調し「多くの優秀なバイリンガルのスタッフが退職せざるを得ない状況になってきている。これは売却される前にショーン三宅CEOが約束していたことと違う。売却前に予期されていた悲惨なことが急速に現実として起こりつつある」と訴えた。松元、池田、入江の三氏は看護ホームの患者を長年診ている
◎動議可決ー第4区カナべ氏は棄権
証言が終わると直ちに、動議は採決され、可決した。5人のスーパーバイザーのうち、ソリス議長とトーマス副議長、シェイラ・クエル氏(第3区)が議案に賛成し、ドン・カナべ氏(第4区)は棄権した。マイク・アントノビッチ氏(第5区)は議会に出席できなかったが「100パーセントこの議案に賛成している」とオフィススタッフのトニー・ベル氏は伝えている。
カナベ氏が棄権した理由について、オフィススタッフのアンドリュー・ベイズ氏は「全ての話には2つの側面がある。この問題に関して両サイドから話を聞いて、ロサンゼルス郡が関わる前に、カリフォルニア州と州司法長官が問題を解決するのがベストな方法だ」とカナベ氏は考えているという。
動議が採決され、可決されたことで、スーパーバイザーたちはロサンゼルス郡の「消費者ビジネス局」「郡評議会(法律顧問局)」「公衆衛生局」に調査を命令することになった。(具体的な調査内容は最終回の【下】に掲載)
2015年9月からの敬老売却関連記事は日本語と英語でこちらから
