「東京を歩く会」という月一の集いを紹介され夫婦で参加を始めた。企画者の元に参加者が集まり毎月選ばれたコースをランチ込みで歩いて探索する。僕は東京生まれ東京育ちだが何と言っても東京は巨大都市で知らない所や顔も沢山あり、広さに加え実に多様な顔を持っているから月々選ばれた地域にレンズを当て歩くのは勉強になるし面白いと思った。今までに3回参加したそのあらまし。
 1回目は5月で銀座、京橋界隈だった。朝、JR有楽町駅前で集合。都内から三々五々集まった30人前後の有志。主催者がコースの個々の見どころ、歴史、新しい開発状況などの資料を配ってくれる。先ず駅前から地下街に入ると大岡越前守が活躍し2600坪あったと言う南町奉行所の跡で出土品が見れる。更に幕末の思想家佐久間象山の五月塾跡、広重が雪景色を描いた比丘尼橋跡、歌舞伎発祥の史跡、大奥を揺るがした絵島生島事件の舞台、赤穂義士が渡った采女橋、開発著しく高層ビル林立の汐留等々。
 2回目の6月は渋谷、代官山、恵比寿のコース。渋谷のハチ公前で集合し先ず大開発で大変貌を遂げつつある渋谷を地下やビルの高層階から眺望。渋谷スクランブルエリアは東急、JR、地下鉄が入る地上47階、地下7階の建設中の新ランドマーク。別の完成した水辺空間の高層渋谷ストリームに人々が吸い寄せられている。渋谷川沿いに歩きログロード代官山、代官山ガーデン、恵比寿の新名所ガーデンプレース、恵比寿ビール博物館へ。
 3回目は7月でメガタウン新宿。とは言え広すぎるので新しく出来たJRの新南改札からアクセスする地域を主にビルの中や地下街を伝って見て歩く。新宿駅の利用者は350万人でギネス世界一。3階建ての駅は出口が全部で64もある。高島屋スクエアから東急ハンズ、ビックカメラとユニクロが合体したビックロ、新高層ファッションビルのミライナタワーなどを歩き刺激を受けた。
 江戸幕府が置かれ日本の中心都市となって以来、明治、大正、昭和、平成、そして令和と歴史変遷の中に変貌し続ける東京の昔と今を見て歩く味わいは手応え十分。参加者達との交友も段々と深まり楽しい。【半田俊夫】

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