フリーウエー#5とフリーウエー#14のインターチェインジから見える山火事の炎(加州運輸局ツイッターより)

 ロサンゼルス市北部で10日、山火事が発生し、11日午後4時までにポーターランチやグラナダヒルズの周辺住民およそ10万人に避難命令が出された。死者1人が確認されたほか、少なくとも建物25棟が焼失。当局は警戒を強めている。【吉田純子】

 「サドルリッジ・ファイア(Saddleridge Fire)」と名付けられた今回の山火事は10日午後9時頃、シルマーのフリーウエー#210のヤーネル・ロード付近で発生した。ロサンゼルス消防局によると、ポーターランチとグラナダヒルズ周辺のおよそ1万3千世帯に火の手が迫っているという。
 11日午後4時までの焼失面積は7542エーカーで、鎮火は13%。風速およそ60マイルの強風により消火活動は難航しており、これまでに少なくとも商業施設と住宅を含む25軒が焼失した。
 山火事により周辺の学校区や大学は同日、休校措置をとり、周辺のフリーウエーも一部区間が閉鎖されるなど、交通網にも影響が出た。
 連邦緊急事態管理庁は今回の山火事に対応するため災害支援を開始。カリフォルニア州南部では極度の乾燥と強い季節風の影響で山火事が発生する恐れがあるとして警戒を強めていた。
 同山火事で死亡したのは男性で、当局によると山火事発生により心臓発作を起こし死亡したとみられている。
 出火原因は分かっておらず現在も調査が進められている。
 「着の身着のまま逃げてきた」。そう話すのは避難区域となったポーターランチに住む山口弘・淑子さん夫妻。同日午前3時頃に避難し、現在はノースハリウッドに住む娘の自宅に身を寄せる。「自宅が焼けてしまっているかどうか分からないが、逃げる時、家の近くにまで炎が迫っていた」と語り不安な一夜を過ごした。
 当初開設された避難所はすぐに満員状態となっており、現在随時追加されている。
 避難所の最新情報はLA消防局ウェブサイトで―www.lafd.org/news/saddleridge-brush-fire
 道路の閉鎖状況はカリフォルニア州運輸局ウェブサイトで―roads.dot.ca.gov/

ポーターランチで米史上最悪となるメタンガス漏出事故が発生した際、ポーターランチの自宅で羅府新報の取材に応じた山口夫妻(2016年撮影、写真=吉田純子)

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