2020年は終わったが、コロナは続く。新年を迎え、米国は新大統領も就任する。心機一転、決意も新たに希望を持って前進したいところだが、パンデミックはまだしばらくまん延するだろう。感染予防、自宅待機を余儀なくされる状況だからこそ、今、われわれに必要なのは感動を与えてくれる芸術文化だろう。
 バレエ、オペラ、ブロードウェイ、ライブ音楽。どれも、演者・演目に加え、会場でしか味わえない臨場感や、観客と演者が一体感を共有する空間を売りにしていたが、集客ライブができない今、インターネットに頼るしかなくなった。個人的にネット配信に抵抗があった理由は、アーティストたちが時間をかけて作ったものを、個人の身勝手な理由で再生、停止ができてしまうことだった。
 しかし、裏を返せば、その手軽さがあれば、いつでも、どこでも、どんな世界(アート)にでも即座に入り込むことができるのだ。アフリカで録音された音楽を聴く、韓国で制作された映画を観る、ベネズエラの画家の作品を鑑賞する。家に居ながらにして無限に世界にアクセスできる。ホームページにある「www」はWorld Wide Webの略で、世界に広がるクモの巣を意味している。
 アーティストやクリエイターは、非現実の世界を創作することができる。作品は一人歩きし、その世界観は人種、言語、国、時代を超えて伝わり、誰でも、その世界に入り込むことができる。
 先日、英国人音楽家ブライアン・イーノ氏のインタビュー記事をネットで読んで、彼が推奨する「Radio Garden」というアプリを知った。世界地図に無数のラジオ局が緑の点で表示され、点をクリックすると、その局の放送中の番組が聞けるというもの。実際に日本の鎌倉FMを聞いたら、生放送でアニメシリーズ「BEASTARS」についてトークしていた。同作品の音楽は、年末に観た紅白歌合戦に出演した「YOASOBI」というユニット。制作は昨年知人に紹介してもらった「オレンジ」という会社。
 米国の筆者が、英国人の情報からたどり着いた先は、鎌倉で紹介されていた日本のアニメ番組。やはり、クモの巣は張られている。【河野 洋】

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