秋篠宮家の長女眞子さまの結婚がこのほど、ようやく発表された。「おめでとうございます」と、祝う気持ちにならない国民もいるようで残念。婚約が内定してから実に4年以上もたってしまったのは、婚約者の母の個人的なトラブルが、週刊誌を皮切りに新聞、テレビなどでも報じ続けられたためだ。結婚に否定的なそうした国民感情は、メディアに作り上げられたと思う。そもそも、親の問題は子どもには関係ないはず。なのに、週刊誌やテレビのワイドショーは批判し、誇張も多かった。
 婚約者が通ったニューヨークのロースクールや職場の前で記者が張り付いたり、職場に電話、日本帰国の空港での密着、そしてアパート前まで追い掛けるのは、いかがなものかと思う。迷惑な取材には無視したり嫌そうな表情を浮かべるものだが、婚約者は違った。報道陣に向かって立ち止まって一礼。紳士の振る舞いに好感を持った国民も多いはず。いい映像を流してくれたメディアに感謝したい。王室に対する過激な取材で知られる英国。ダイアナ元妃を追い回した末の悲劇を忘れず、日本にはまねしてほしくない。
 結婚発表と同時に、眞子さまが「複雑性心的外傷後ストレス障害(PTSD)」と診断されたことも明かされた。インターネットの書き込みを見て心を痛めたかもしれない。度重なる誹謗(ひぼう)中傷に耐えることができなかったのだろう。皇族を守るはずの担当の庁は、何をやっていたのだろうか。天皇制廃止や皇室批判をする国民もいる中で、次女佳子さま、そして天皇陛下の長女愛子さまの結婚は、いずれやって来る。しっかりと仕事をしてもらわなければ、今回と同じことが起こりうる。
 お二人が周囲の雑音にもめげず、強い意志を持ち続けたことと、秋篠宮さまが結婚を許したことに敬意を表したい。お二人はニューヨークで、新婚生活をスタートさせる。在米邦人の大先輩の読者の皆さんも歓迎し、ニューヨークの方々は、街で見かけても静かに見守ってほしい。
 結婚は両人で決めるもの。他人がどうのこうの言うものではない。お二人の門出を理解のある人と共に祝いたい。「末長くお幸せに」【永田 潤】

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