新型コロナウイルスのワクチン接種証明書提示を義務化する風潮が、高まりを見せている。ロサンゼルス市議会でも今週、レストランやバー、モール、ジム、映画館などで、ワクチン接種かコロナ陰性の証明書提示を義務付ける条例案の採決が行われる。マルチネス市議会議長は、「誰もワクチン接種を強制していない。でも、未接種だと行動が制限される」と、条例可決に自信をみせるが、この言葉が、やや脅し気味に響いたのは私だけだろうか。
 私の家族は全員、ワクチン接種を無事に終えた。保健機関が主張するワクチン接種の重要性や長年にわたるワクチン開発の実績は、百も承知である。現政権に抵抗し、科学的根拠のない情報を信じ込む「反ワクチン派」は、もちろん理解できない。それでもなお、自分の体験に基づいた、コロナワクチン接種への懸念は消えない。
 高校生の息子が2回目のワクチン接種を受ける直前のこと。40代の友人女性は、2回目のワクチン接種直後から体調に異変を感じ、翌日病院へ向かう途中で心臓が止まる恐ろしい体験をした。幸い一命を取り留めたが、4カ月たった今も入院している。活発で聡明だった友人の姿は変わり果て、ワクチンの恐怖が押し寄せた。
 また、別の友人の息子さんは、1回目接種後にアナフィラキシーの疑いが出たため、2回目の接種は受けていない。
 接種で怖い思いをしたのが、自分の親や兄弟だったら、コロナワクチンへの疑念は深まり、接種を避けたいと思うのは当然だろう。未知のウイルスとの戦いは、分からないことだらけで、日々新しい情報が出てくる。妊婦のワクチン接種率が伸び悩んでいるが、当事者の心境は痛いほど分かる。自分だけならまだしも、子どものこととなると心配は尽きない。デルタ株が猛威を振るう中、うちの息子も2回目を接種したが、内心は本当に不安だった。
 そんな中、期待するのは新型コロナウイルスの飲み薬の開発だ。米製薬大手メルクは1日、開発中の飲み薬が、入院と死亡のリスクを半減させたとする治験結果を発表した。これで、年内に薬の使用許可が下りる可能性が出てきた。ワクチンと同時に、治療薬や感染検査なども併用し、安心して暮らせる日が早く戻ってきてほしい。【平野真紀】

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