プロスポーツのドラフト制度を再考察した。米国的な公正で民主主義的発想に思えてならない。大学生などアマチュアの有望な選手を各チームに振り分け、戦力をなるべく均等化させ、毎年、拮抗(きっこう)した争いを楽もう、という意図だ。指名の順番は、前年の成績順位やくじ引きなどで決める。
 歴史をたどるとNFL(アメフトプロリーグ)のフィラデルフィア・イーグルスの当時のオーナーであるバート・ベル氏が提案し、1936年に開始され、現在も続く。北米のプロバスケ(NBA)は47年、メジャーリーグ(MLB)は65年、プロサッカー(MLS)は96年、そして、女子プロサッカー(NWSL)も2013年にドラフト制度を採用し始めた。
 ドラフトシステムのないヨーロッパのプロサッカーと比較しよう。約100年弱の歴史を誇るスペインのプロサッカー、ラ・リーガは、20チーム構成。レアル・マドリードとバルセロナの強豪2チームが、それぞれ優勝34回、26回ずつ。ここ20年間は両者が17回制覇、85%独占。11チームがまだ一度も優勝経験なし。
 18チーム構成、歴史60年のドイツのブンデスリーガも、名門バイエルン・ミュンヘンが31回優勝。ここ20年間は15回優勝。6チーム優勝なし。4チーム優勝1回のみ。欧州のチームは、自らのネットワークで世界中から若い有望株の選手をスカウトし、教育の場も与え、じっくり育てるシステムだ。もしくは大金を払って他チームからスター選手を獲得する。強くなるには時間とお金を要する。
 一方、30チーム構成のMLBで、ワールドシリーズに一度も出場したことがないチームは、シアトル・マリナーズだけだ。32チーム構成のNFLは、28チームが優勝決定戦のスーパーボウルに出場済み。30チーム構成のNBAも、24チームが優勝決定戦に出場経験を果たしている。どのチームも優勝できる可能性があり得る。
 端的に言ってしまえば、場所が違えばルールや習慣や伝統が異なる。ただ優勝の可能性のなさそうなチームを長年応援し続けるファンの気持ちがなぜか気になってしまう。(長土居政史)

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