フロリダ発5泊6日「船上の音楽フェス」に行ってきた。私と日本から参加した5人の友人は全員がこのクルーズのリピーターだ。元々は2年前に予定されていた航海だった。「こんな時期にクルーズなんて」という思いもあったが、キャンセルしても返金はないし、折しも飛行機のマスク着用義務が解除され、「世の中は良い方向に向かっている」というムードに押されて出発した。
 毎日のライブ演奏。カリブ海の寄港地ではエメラルド色の海で泳ぎ、下船後にはついでにディズニーのテーマパーク「アニマルキングダム」でも遊んだ。そして、びっくり仰天、ブースターまで接種済みの6人中5人がその後に新型コロナ陽性になったのである。
 ご存じのように、いま日本に入国するには飛行機搭乗前の陰性証明が必要である。その検査に引っ掛かり2人はフロリダで、1人は立ち寄り先のニューヨークで自主隔離となった。2人は日本便に乗れたが、うち1人が羽田の出口検査で陽性に。そこで私も、毎日ホームテストを続けてみると、帰宅後4日目に陰性→陽性に転じた。
 それから日米4都市をSNSで結んで、隔離の日々を語り合う私たちのユニークな「隔離日誌」が始まった。
 フロリダとニューヨークは予定外の宿泊費が持ち出しだから大変だ。だが行動の自由を厳しく制限されてはいないので、閉塞感は少なめ。フライトの再予約や、飛行機会社の理不尽な対応へのストレスは高め。
 日本は国が用意した東京・品川の高級ホテルに入所。看護師や医師に管理され、重症化したら安心だが、部屋から一歩も出られず軟禁状態。しかし支給の和食弁当は「1回以外はハズレ無しで毎回完食」(本人弁)。しばしば写真をアップしてフロリダ組をうらやましがらせた。
 カリフォルニア(私)はZOOMで主治医と面談し、治療薬パクスロビド錠を試した。症状は軽くたんが絡む程度で、熱もなく、仕事も通常の自宅勤務を続けることができた。朝晩5日服用し6日目には医師の予想通り陰性になり、手際よく隔離解除となった。
 現在は各地とも家路に就いたが、日本は一番慎重で、退所許可まで都合14泊だった。
 誰もが軽症だったのは幸いだが、2回のブースター接種で免疫最高だったはずの私の防護壁さえ突き破ったオミクロンはすごい。皆さま、どうかご注意を。(長井智子)

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