1年のうち複数回、日本とロサンゼルスを往復していると、頭の中が混乱してきて、どこでの出来事か錯覚することがある。ぐちゃぐちゃアタマのまま終えそうな2022年。身近な知り合いのコロナ感染者は日本もこちらも同じで、感染しやすくなっていることを実感。感染していても症状が重篤じゃないと、自覚しないで他人に感染させてしまうということもあるだろう。
 今回の日本で、読みたかった本を見つけられた。数学者藤原正彦氏の「若き数学者のアメリカ」。50年前の経験が書かれているのだが、気持ちの中でもやもやしていたことを彼は的確な言葉で表していた。歴史がないアメリカは道路、砂漠、自然の中に人々の辛酸の涙が染み込んでいない。その分、情緒に欠ける。そしてそこは故郷になり得ない―というようなことが書かれてあった。そうだ、だから定住ではなく転居を繰り返す。故郷じゃないから土地に対する愛着がない。愛着がなく世代が継続して住まないから、伝統が生まれる素地もなければ、関係する場所を良くしようとかきれいにしようとかの気持ちも起こるわけがない。ごみを捨て放題の理由が納得できた。
 こちらに戻ってみると、アメリカンフットボールがワイルドカードとかプレイオフの話題になる時期になっていたとは! 浦島太郎の気分。昨シーズンの覇者RAMSの成績が悪いのは応援が足りなかったせいかと悔やんでいるところだ。日本にいると、駅伝やマラソンのような陸上競技が盛んで、テレビでもよく放送されていて、女子の大学駅伝などはここまで進化したかと驚きをもっておもしろく観た。アルツハイマーの母の介護の気分転換になった。(大石克子)

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