2種類の水質汚染物質排出量で全米最悪となったシェブロンのエルセグンド石油精製所=2006年4月21日 (AP)

 非営利団体の環境保全プロジェクト(EPA)が26日、全米の81の石油精製所を対象とした調査報告書を発表し、サンタモニカ湾に面したエルセグンドのシェブロン施設を2種類の水質汚染物質の排出量で、最悪に位置付けた。
 EPAは石油業界の有害物質排出報告書、許可申請書、その監視データを分析して調査結果をまとめたが、2021年にシェブロン・エルセグンドは160万ポンドの窒素をサンタモニカ湾に排出した。また5257ポンドのセレンも放出したという。
 石油精製過程で発生する汚染物質は合法的に沿岸から遠く離れた太平洋に排水されているため、海水浴やサーフィンをしても直接的な健康被害はないとしているが、EPAや自然保護活動家は連邦環境当局に対し、この水域への排出許可を見直し規制を強化するよう求めている。
 シェブロンは、施設のプロセス廃水と雨水流出を「ロサンゼルス地域水質管理委員会が発行する厳格な排水許可の下で直接処理している」と述べ「連邦、州、地方の水質管理基準を遵守している」としている。
 調査では、分析した81の製油所のうち3分の2が低所得者層が居住する地域に偏っており、半数以上は「有色人種の割合が全国平均を上回る地域にある」ことが分かっている。また、70%近くの施設が下流の水路の汚染により水生生物の生息維持や、泳いだり釣りをすることの安全を脅かしているという。

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