米国は広大だ。僕が住むニューヨークとロサンゼルスは地図で見ても2794マイルある。しかし、その距離を縮めてくれるものがある。その一つがメディアだ。ニュースや情報を届けるだけでなく人と人をつなげてくれるツールでもある。中でも新聞という媒体は、物事が映像や画像で伝えられる今の時代、とても大切な役割を担っていると感じる。120年の歴史を持つ羅府新報は、ロサンゼルスだけでなく、より広く認知され、評価されるべき日系新聞だと思う。
 その羅府新報を初めて訪問したのは2019年10月22日。名古屋のちんどんガールズ、べんてんやと全米ツアーをした際、友人の長井記者の案内のもと会社を訪問した時だった。社内見学し、カリフォルニア日系人の足跡を垣間見て感激した。
 それから半年後、パンデミックが始まり、人々は「カゴの中の鳥」のような時間を淡々と過ごすことになった。しかし、そんな時でも西海岸への思いをつなげるものがあった。それが磁針のエッセーである。月一の執筆だが、1カ月が猛スピードで過ぎ去っていく。先日入稿したと思っていた締め切りが、本当に1週間もたたないうちにやってくる感覚なのだ。
 最初の頃は何時間かかけて一つのエッセーを執筆していたが、少しずつ慣れてきて、今では1時間くらいで文章をまとめられるようになった。子どもの頃は文章を書くことが苦手でエッセーを毎月書くことになるとは夢にも思わなかったが、人はどこでどう変わるかわからないものだと思う。
 そして、ほぼ4年ぶりとなる本年10月4日、再び羅府新報を訪問することができた。今回は「OFUKU 6」という長編映画のワンシーンを同社のオフィスで撮影することが目的だったが、なんと日本語部の永田編集長にもゲスト出演してもらい、もう今から完成が楽しみで仕方がない。
 最近は映画のプロデューサー業を始め、歴史の瞬間を捉える映像制作に大きな意味を見い出すようになった。映像で記録するドキュメンタリー映画制作、現在の自分を文字で刻む執筆活動、どちらも自分にしかできない仕事を続けていきたい。(河野 洋)

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