AP通信が行った調査結果によると、大学を最近卒業した25歳以下の学位取得者のうち53・6%(150万人)、およそ2人に1人が失業していることがわかった。
 調査は昨年度に政府が行った統計をもとに行われた。2000年の調査時には41%だったことから、昨年までの11年間で著しく増えたことが分かる。
 調査によると、動物学や人類学、人文科学学科を卒業した人は、その分野で就職先を見つけることが困難だという。一方で、看護、教育、会計、コンピューター・サイエンス学科の学位を取得した人は、就職先が見つけやすいことが分かった。
 地域別で見ると、アラバマ、ケンタッキー、ミシシッピー、テネシー州などの南西部や、カリフォルニア、アラスカ、オレゴン、ワシントン、ハワイ州などの太平洋沿岸部で若者の失業が目立ち、もっとも大卒者の失業率が高かったのはネバダ州だった。
 職種別に見ると、会社などの受付係や経理部などオフィス勤務の仕事に就いた人は16万3000人。レジ係や販売員の職に就いた人は12万5000人。ウェイターやウェイトレス、バーテンダーなどフードサービスの職を得た人は10万人。コンピュータ専門職に就いた人は10万人。物理、化学、数学などの分野の職に就いた人は9万人。エンジニア職は8万人だった。
 学生や大学を卒業して間もない若者の間からは、勉強してきた分野と仕事内容が一致しない就職難を嘆く声が多く聞かれる。カリフォルニア州立大学(CSU)ノースリッジ校4年生のジェリッド・マッケーナさんの周りにも、大学を卒業してもいまだ就職先が決まらず失望している人が多いという。「彼らの多くが、ガソリンスタンドやファストフードレストランなどで、時給10ドルで働いている」という。
 ネバダ州立大学ラスベガス校のビジネス学科を昨年12月に卒業したキャメロン・ボーデンさん(22)は、ラスベガス・ストリップのレストランでウェイターのアルバイトをしながら、地元航空会社でマーケティングのインターンシップをしている。
 また、大学を卒業しても、経験がないことを理由に採用されないケースも多く、「みんな『大学に行きなさい』と言うけれど、卒業後はさらに厳しい現実が待っている」と過酷な現状を訴える若者も多い。 

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *