東京誠心社現代書展、産経国際書展、全日本書き初め展の入選、入賞者

あいさつに立つ生田博子会長

 2年後に創立50周年を迎える「米国書道研究会」(生田博子会長)は25日、昨年11月30日から12月5日に上野の森美術館で開催された「東京誠心社現代書展」、今年1月25日から2月6日に東京国立新美術館で開かれた「産経国際書展新春展」、また「全日本書き初め展」それぞれの入選、入賞者贈賞式と新年会を小東京のキョウト・グランドホテルで催した。
 贈賞式には、在ロサンゼルス総領事館の進藤雄介首席領事や各日系諸団体の代表者らが招かれ、書展の入選、入賞者を祝すとともに、米国内における日本書道の紹介と普及に力を入れる同会の長きにわたる功績を称えた。
 誠心社現代書展では、生田博子会長が審査会員特別賞の「角井賞」を筑波大学名誉教授でふくやま美術館館長の角井博氏から送られ、一昨年の同書展最高賞である「誠心大賞」受賞に続く快挙を成し遂げた。また、武曽百合子さんが会友賞を、一般公募でケンドリック一枝さんが誠心社賞をそれぞれ受賞。さらに、全日本書き初め展では、20回連続で米国書道研究会が団体最優秀賞を受賞するなど、米国内における書道の発展をアピールした。
 「誠心社賞」を受賞したケンドリックさんは、東日本大震災で復興に向け尽力している人たちに希望を失わず頑張ってもらいたいとの気持ちから、「希」という一文字を出展。練習最終日も20枚近く書き上げ、墨も残り少なくなった時、「後2枚ほど書いたら終わりにしよう」と心を入れ替え書いたのが、今回出展した作品だったという。
 ケンドリックさんは、「肩の力が抜け、リラックした状態だったようで、不思議と息をつかず一気に筆がすすみ、滑るように書き上げることができた」と当時を振り、生田会長が指導する「格調高い作品」が作れるよう、これからも精進したいと語った。
 また、産経国際書展新春展で奨励賞を受賞した原口真紀さんは、今年初出品で初入選を果たした。仕事と家事をこなす慌ただしい生活の中で、始めは教室に向かうだけで精いっぱいだったという。「静寂に包まれた緊張感のある教室で、書に向かう博子先生や先輩方の姿に多くを学び、励まされた」と述べ、「筆を持つたびに、日本から遠く離れた異国の地で書道ができることに喜びを感じる」と、米国に書道を広めた人々に感謝の言葉を述べた。
 あいさつに立った生田会長は、産経国際書展への海外からの出品は米国が最も多く、同研究会は日本から責任ある団体として認められているとして、故生田観周氏が目標とした「米国内における日本書道の紹介と普及」が着実に実現されていると述べた。また、創立50周年を2年後に控え、次世代に夢をつなぐ大切な時期にあるとし、「一致団結し、切磋琢磨しながら、後進の育成に努めていきたい」と抱負を語った。
 米国書道研究会は10月6日から20日まで、日米文化会館のドイザキギャラリーで「7人展」(21点出品)を予定している。出展者は、生田博子会長、中村達司理事長をはじめ、役員の松永満智子さん、奥達子さん、ラモス逸子さん、加柴律子さん、松岡八十次さんの7人に加え、故生田観周氏の遺作も出品される。また同書展と併催し、会員選抜約10人による書展も予定している。
 誠心社現代書展の入選者は(敬称略)▽審査会員特別賞「角井賞」=生田博子▽会友賞(会友)=武曽百合子▽誠心社賞(公募)=ケンドリック一枝。産経国際書展の入選者は▽奨励賞(公募)=原口真紀。全日本書き初め展の入選者は、▽団体最優秀賞=米国書道研究会▽新春展「墨成大賞」=山本美稲▽奨励賞=ラモス逸子、加柴律子▽書き初め展「墨成賞」(成人部)=山口千代子▽特選(同)=木津真由美▽特選(教育部)=両角衿香▽金賞(同)=安田光沙 【中村良子、写真も】
乾杯する会員と来賓

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