師走、正月と休暇時期が近づき12月は何となくせわしくも楽しく浮き立つ気分がある。今回はクイズ形式で楽しみながら日本語を考えたいと思う。
 その行動は「流れに棹さす」ものだ—この表現の意味を2択で問うと、どちらが正解か。A・傾向に乗り勢いを増す行動をとること。B・傾向に逆らい勢いを阻害する行動をすること。正解は後に。
 文化庁がここ17年来続けている日本人の国語理解の現状を調べるための国語世論調査でいろいろな結果が発表されている。
 前記の問いの正解はAで正解率は全世代にわたりたった約35%だった由。この例だけでなく多くの慣用句について間違った用法を正しいと思い込んで使っている日本人が増えている傾向だとある。
 「私には役不足です」はどうか。A・私の力量には役目が重すぎる。B・私には役目が軽すぎる。この正解率は4割だった。正解はBだ。
 次は「うがった見方」をする。A・物事の本質を捉えた見方。B・疑ってかかるような見方。正解率は低く26%だった。正解はA。次に「姑息な」手段。A・一時しのぎの。B・卑怯な。この正解率はわずか15%で、正解はA。
 文化庁の調査は年代別に分析しているが、自分の日本語に気を使っていると答える日本人が全体で約8割、人の日本語が気になる層は7割半ば。日本人の日本語能力について低下していると思う人は読む、書く、話す、聞くすべての項目で多数で、特に書くと読む力で低下していると考える人が8割前後と高い。日本人はその点は十分認識していることがうかがえる。
 さらに若者の流行言葉の例でナニゲニ、チョー悪いなどを使う人は全体の3割以下、何々じゃないですかは2割以下と全般的には堅実?な国語感覚が見える。しかし「むかつく」の使用は約5割と上昇傾向だ。
 日本語という日本の美しい財産を守り育て正しく継承して行きたいと思えば、言葉の使い方については保守気味の目で見てちょうどよいのではないか。【半田俊夫】

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