新年会に集まった参加者全員で記念撮影
 南加福岡県人会(宗伸之・新会長)が福岡婦人会(柳瀬律子・新会長)と福岡青壮年会(大塚佳之介会長)と3団体合同で3日、モンテベロ市のクワイエット・キャノンで新年総会と親睦会を開催した。会員らおよそ90人が集まる中、新たに就任した同県人会と婦人会の会長がそれぞれ発表されたほか、今年度の県費留学生への奨学金授与式も行われ、会員らは新年をともに祝いながら親睦を深めた。
宮里前会長(右端)から奨学金を受け取った金川さん(中央)
 同県人会の宮里勝吉・前会長は、新年会や忘年会などの年間行事を無事終えられたことや、東日本大震災の発生以降、同県人会からおよそ2万ドルの義援金が集まったことなどを振り返り「みなさんの協力のおかげで2年間の任期を務めあげることができました」と述べ、会員全員の協力に感謝の気持ちを表した。
 新年会では、福岡県の小川洋知事から同県人会の80歳以上の高齢者に祝状と記念品が送られ、その贈呈式が行われたほか、毎年恒例となっている県費留学生への奨学金授与式も行われた。
 今年参加するのはカリフォルニア州立ポリテクニック大学ポモナ校でフードサイエンス・テクノロジーを学ぶ金川龍介さん。九州大学農学部で1年間、食品科学について勉強する。福岡市で生まれ生後1カ月で渡米した金川さんの将来の夢は、食品関連の仕事に就くこと。「留学中はいろんな人と出会い、日本の文化を吸収したい。帰国後は県人会の活動にも積極的に関わっていきたい」と述べ、奨学金750ドルを受け取った。
新たに会長に就任した宗氏
 続いて宮里前会長から新たに就任した宗新会長が紹介された。宗氏は福岡市出身。一橋大学卒業後、日本航空に入社。加州オークランドで生まれ米国に戻ることが夢だった母を日本から故郷に連れていきたいとの思いで同社を選んだが、その願いが叶うことなく入社前に母が他界。ワシントンDCなどでの駐在生活を経て40代で早期退職し、母の思いを自ら果たすがごとく米国に移住した。
 日本とアイオワ州で高校生活を送った同氏は、若い時に異文化に接する機会を作ることがその後の人格形成において大きな影響を与えると説き、教育の大切さを訴える。
 異文化を学んでもらうため、日本とロサンゼルスの高校生を対象に短期の交換留学制度を設けることも現在検討中だという。
 会長としては「若い世代の参加に力を入れ、仲間を増やしていきたい」と語り、会を盛り上げていくためにも会員にさらなる協力を呼び掛けた。
 昼食後のエンターテインメントでは日本舞踊や民謡、マジックショーやカラオケなどが行われ、会員らは故郷に思いを馳せながら、親睦を深めた。
 同県人会は昨年の九州北部豪雨での被害を受け、県人会から5000ドル、県人会協議会から預かった1000ドルの計6000ドルを同県に寄付している。 【吉田純子、写真も】

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