スマートフォンを使う世代には、新登場のアプリによるサービスが次々と登場しているらしい。旧態依然の携帯電話を使う私にも、ぽつりぽつりと情報が届く。
 「ウーバーを使う」と語ったのは、30代の息子だ。生まれ育った西海岸を離れ初めての土地での一人暮らし。朝早く空港に向かうという彼の足を心配して尋ねた母親への返事だった。「ウーバー、それ何?」と私。
 「ウーバーってのはドイツ語でスーパーという意味だって。空港など行き先を告げて自分の居場所を知らせると、その時一番近くにいる運転者が迎えに来てくれる。料金は登録済みのクレジットカードから引き落とされ、チップは不要。利用しての感想を送ればいいんだ。その時の天候や状況によって高い料金が設定されるときもあるらしいけど、大抵はタクシーより安いよ」
 一方、息子の友人は、旅行記をブログに掲載中。手に入れた格安航空券を利用しての世界一周だ。彼の文章に毎回のように登場するのが、エアビーエンビー。ビーエンビーはベッド・アンド・ブレックファストの意味だから、ネットで手配する宿ということらしい。彼はヨーロッパでもアジアでも頻繁に利用している。
 通常のホテルのインターネット予約と異なるのは、宿泊の場が一般人の家や部屋だということ。つまりこれも、利用者にとって安価な宿泊方法の斡旋で、宿の提供ホストにとっては手軽に収入が得られるシステムだ。斡旋にあたるエアビーエンビー社は、一定割合の手数料をホストと宿泊者から徴収するらしい。
 いずれも私には耳新しいサービスだが、若い世代には既に随分利用されているのだろう。2009年にサンフランシスコで始まったウーバーは、今では世界53カ国200都市で利用可能。2008年サンフランシスコ生まれのエアビーエンビーは世界190カ国の80万室を仲介するという。タクシーやホテルを使うより安いとあって、どちらのサービスも急速に浸透しているらしい。
 当然、ホテル業界やタクシー業界との摩擦は起きる。安全性の問題や利用者の不満も時たま生じている。それでも、これからも確実に伸びていくと思われるサービスだ。残念ながらまだ私には使いこなせそうにないが。【楠瀬明子】

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