来年の大統領選をむかえ、共和、民主の立候補者たちがおおよそ出そろったようだ。
 民主党はヒラリー氏がおおむね抑えているようだが、バイデン氏も強力、結果はまだ分からない。共和党は今のところ雨後のタケノコのように立候補者がでており、皆ドングリの背比べ的な感じ。これからの指名獲得に各自が力を注ぐ。
 その中でもやはり目を引くのがトランプ氏。そこらの政治家のように「真摯(しんし)に対処してまいります」的な政治用語を使わず、言いたいことをずばずば言う態度にアメリカ人は喝采を送り、今のところ支持率トップとなっている。
 「怒れるアメリカ人」の演出が功を奏しているようだ。どうもアメリカ国民は彼の言動を「Reality show」の一つとしか見てないのではと感じるのは僕だけだろうか。
 実際には見たことがないから何とも言えないが、彼が出演している「The Apprentice」は2月現在で185話、14シーズンにもなるという。有名無名のタレントたちがアプレンティストして登場、「You are fired!」で抜けていき、最後の一人に残ったタレントが望む団体に高額の寄付をするというものらしい。
 ビジネスではどんな手を使ってでも相手をつぶして自分が上に立つのが常識。政治でも同じようなものだろうが、相手が大小を問わず一つの国であれば対処法は違うはず。観客もメキシコや日本を叩けば面白がって拍手を送るだろう。もっともこれが票を得るためだけのトランプ氏の計算された態度ならば話はまた別だろうが。
 これから共和、民主のそれぞれの候補者が選ばれ、大統領選に突入。あと14カ月、それぞれが「経済に力を入れ……」「世界に平和をもたらすため……」「国民保険を即中止し……」などと漠然とした政策を打ち上げて行く。併せて僕が嫌いなネガティブキャンペーンがたけなわとなるわけだ。
 お願いだから人をけなす広告の前に、自分のやりたいことをもっと具体的に、僕らに分かりやすいように示してくださ〜い。【徳永憲治】

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