アメリカで起きていることなのに、日本にいる友人から初めて聞かされるというケースがたまにある。
 つい先日、日本の友人よりリアルIDの記事が載ったウェブサイトのリンクが送られてきた。内容は、この1月からカリフォルニアでもリアルIDの申請受付が始まるというニュースだ。「リアルID」という言葉自体が初耳で、一瞬何のことか不明だったが、ホームランド・セキュリティーと関連していることがすぐに察せられた。
 関連したウェブサイトを調べてみると、「リアルID」はアメリカ国内で他州に飛行機で旅行する場合に大きく関係してくる。簡単にいってしまえば、州政府より発行されているID/運転免許証は空港などのセキュリティー・ポイントを通過する際に用をなさなくなり、連邦政府の発行した「リアルID」が必要になるとのことだ。
 この「リアルID」を入手するには、身分や住所を証明する幾つかの書類をそろえて、本人がDMVに出頭し申請する。時間的にはまだ少し余裕があるが、2020年10月以後は、現在使用されているIDで空港などのセキュリティーポイントが通過できなくなるようだ。空港のセキュリティーポイント以外では政府関係の建物や核施設、軍事施設へ入る際にも必要になる。(詳しくはwww.dhs.gov/real-idを参照)
 あー、またしてもわれらがプレジデント・トランプのなせる技かと思いきや、2001年の同時多発テロの後、9・11コミッションが連邦政府に法制化を提示、法案は2005年に成立した。まだ取得していないので不明だが、この「リアルID」があれば海外から入国する際にも見た目や国籍の違いで、自身の潔癖(?!)を証明しやすいのかもしれない。裏を返せば、取得の手続きなどの面倒を考慮しても、永住権でアメリカに暮らす他国籍の人には国内旅行だけでなく、海外からアメリカへ戻る際にも功を得ることになるかもしれない。さらにアメリカ国内空港のセキュリティー・ポイントでの待ち時間の短縮につながってくれるとありがたい。【清水一路】

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