ロサンゼルス市議会は最低賃金引き上げ案を暫定的に承認。近く最終投票が行われる
ロサンゼルス市議会は最低賃金引き上げ案を暫定的に承認。近く最終投票が行われる

 ロサンゼルス市議会は3日、同市の最低賃金を向こう5年間で時給15ドルまで引き上げる提案を暫定的に承認した。新たな条例案が施行されるには市議会メンバー全員の賛成票が必要であるため近く最終投票が行われる。

 同提案が正式に承認されると、同市の最低賃金は、従業員数26人以上の大規模企業に関しては、2016年7月から、これまでの時給9ドルから10・50ドルに、17年7月から12ドル、18年7月から13・25ドル、19年7月から14・25ドル、20年7月から15ドルに段階的に引き上げられる。
 従業員数が25人以下の小規模企業は、大規模企業より1年遅れて施行され、同じく段階的に引き上げられ、21年には時給15ドルに達する。
 同市の労働組合のメンバーや同提案を賛成する市民は3日、市庁舎前に集結し「今のままの最低賃金ではLAで生活していくのは困難だ」と訴え、引き上げ案を支持した。
 一方、反対派の市民からは最低賃金の引き上げにより、取扱い商品の値上げや従業員の解雇も起こりうるとして懸念する声もでている。
 同提案が施行されるには、同市議会メンバー全員の賛成票が必要となる。全会一致が得られなかった場合は、再び投票が行われる。
 5月に行われた同市議会の投票では14対1の賛成多数で引き上げ案は暫定的に承認された。同市経済開発委員会では全会一致で賛成されていた。
 今回も13対1の賛成多数だったが、バーナード・パークス市議が欠席、ミッチェル・イングランダー市議が反対票を投じ、市議会メンバー全員の承認は得られなかった。最終投票は10日に行われ、全会一致が得られた場合は、エリック・ガーセッティーLA市長のもとに同提案は送られ、市長の署名を経て施行される。
 ガーセッティー市長は市長就任当初から17年までに最低賃金を13・25ドルまで引き上げたい考えを示しており、公約を実現するかたちで同提案は進められていた。
 カリフォルニア州では州の最低賃金が昨年7月に時給8ドルから時給9ドルに引き上げられ、16年1月からは時給10ドルに設定される。加州下院はさらなる引き上げ案も検討している。
 1日には加州上院で、17年までに同州の最低賃金を時給13ドルに引き上げる提案が承認されたが、施行には下院の承認も必要となる。
 最低賃金の引き上げ措置はサンフランシスコやサンディエゴ、シカゴ、シアトルなどの都市でも行われている。
 サンフランシスコは昨年11月、18年までに最低賃金を時給15ドルまで引き上げる案が承認され、サンディエゴでは17年までに時給11・50ドル、シカゴでは19年までに時給13ドル、シアトルでは18年までに時給15ドルに引き上げられる。
 今回の提案が承認されると、LA市はサンフランシスコやシアトルに続き、全米でもっとも最低賃金が高い都市に仲間入りすることになる。

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