
1899年創立で南カリフォルニアで活動する県人会として最も長い歴史を誇る南加鹿児島県人会(フランク大原会長)が3日、ソーテルの西羅府仏教会ホールで総会と親睦会を開いた。今年は創立125周年に当たり10月に記念祝賀会を開催することから、会員一丸で準備と成功を誓った。

総会のオープニングは作曲家の福島愛子さんが指導する「エルマリノ日本語児童合唱団」が元気に日本の歌を歌って会場を活気付けた。合唱団は日本語イマーシブプログラムのあるカルバーシティーのエルマリノ小学校の生徒を中心に編成されている。また、会場入り口では1月1日に発生した能登半島地震の義援金協力が盛んに呼びかけられた。
県人会の活動報告は宮内マーガレットさんが行い、新年総会、花見、秋のピクニックといった親睦イベントや、「高齢者を守る会」バザーへの参加、鹿児島ファンデーションの資金集めのための「トーレンス夏祭り」への参加など、活発な活動の様子をプロジェクターで大画面に映し出しながら説明し、1年を振り返った。また、傘下の鹿児島ファンデーションの活動報告は鶴亀彰さんが行い、大学進学者9人への奨学金贈呈や、Zoomを活用して日本と活発に交流していることなどが報告された。また、理事の1人であるタック西さんに対しては、22年にロサンゼルス市が西さんに贈った感謝表彰の賞状授与を行った。
総会後の昼食会は和食弁当やラッフル抽選を楽しみ、最後は郷土の民謡として名高い「鹿児島おはら節」に合わせ会場に大きな輪を作って踊った。

当日の来賓には鹿児島県出身でロサンゼルスの日本総領事館に勤務する中島婦希子副領事や、南加県人会協議会会長の北垣戸和恵さんらを招いた。北垣戸さんは石川県出身。あいさつの中で日本に住む高齢の母親が先の能登半島地震で被災したことを明かした。一変してしまった生活の様子など、共有された生の声から被災地の厳しい現実を改めて知り、涙ぐむ出席者もいた。
この日はまた、日本から訪米中の鹿児島大学医学部教授・谷口昇博士を含む8人の大学関係者が特別参加した。その全員が県出身者あるいは県内の名門校で勉学するなど鹿児島に根差す一行だ。リーダーの谷口さんは以前、研究のために8年間サンディエゴに在住したことがあり、その折に当県人会に参加したという経緯がある。その後日本に戻り、現在、故郷の鹿児島大に勤務している。鹿児島に帰ってからも当県人会とのつながりを大事にしてきたという。今回は学術会議出席のためロングビーチに滞在中だったことから出席がかなった。

日米の経験を持つ谷口さんによれば鹿児島にはかつて武家社会があったため、団結力や子弟関係が強く、まとまると力を発揮する風土がある。「明治維新の時のように優れた指導者が出れば大きな力を発揮する土地柄だと思う。鹿児島には『薩摩の芋づる』という言葉がある」と谷口さん。これは、薩摩(鹿児島)の人はみんなで1人を支えて成功者を出そうと盛り立て協力し、その1人が上に立てば支えてくれた人たちを引き立てるという、そんな気質を表す言葉だという。「県人会には郷土意識が強く、鹿児島を大事に考える人も多い。鹿児島に残っている人間であるわれわれは、交流を持ってできるだけサポートしていきたい。特にこちらで年配の1世の子孫、つまりその子どもや孫である2世、3世の世代との交流を大事に続けていきたい」と意欲を示した。
このような鹿児島人の気質は、県人会とは別のNPOとして活動する「鹿児島ファンデーション」が掲げる「県人会の若い子どもたちの教育に努力すべき」という発足の理念にもよく表れている。これまで、子どもや大学生を郷里・鹿児島に送り歴史や文化を学ぶ機会を提供してきた。この活動はコロナ禍のため過去4年間中断しているが、一方で、コロナ禍の中で新しい試みとしてZoomによる交流イベントを創設した。当地の小学生と鹿児島の小学生とのZoom会議は定期化され、すでに20回実施している。

鹿児島県人会は今年125年を迎えたが、乾杯の音頭を執ったタック西さんよると、当地には歴史的に、鹿児島県人会と並んで、鹿児島の地方や市町村に基づく種々の同郷人の集まりがあり、その中には南薩同郷人会など100年を超える会もある。125年の重みを表す奥深さの一例と言えるだろう。
また、「KempоTV」の平林憲法さんは、鹿児島からのメッセージとして「3月21日にパロスバーデスで開催されるゴルフLPGA女子トーナメントに鹿児島出身の勝みなみ選手が出場するので応援してほしい」と伝えた。
鹿児島県人会は10月27日(日)午前11時からトーレンスのダブルツリーヒルトンで「125周年記念祝賀会」を催すことが決定している。実行委員長の岩下寿盛さんはすでに昨年、日本の鹿児島県庁を訪問するなどしており、県知事の訪米が望まれている。今後はさらに会員の協力を仰ぎ、企画を練り、ますます一丸となって準備を進めていくことになる。また鹿児島ファンデーションは125周年記念として、子ども世代を対象に鹿児島にまつわる話をつづる「エッセーコンテスト」を計画している。
125周年に関する問い合わせと参加申し込みはイベントオフィスまでメール—
kagoshima124@gmail.com
(長井智子、写真も)

