
アーバイン市の多文化イベント「アーバイン・グローバル・ビレッジ・フェスティバル」がこのほど開催され、多様な文化背景を持つ人々が集い、文化体験、音楽や食、パフォーマンスを通じて交流を深めた。出展/出店を含む総数は150以上。日本は日本総領事館、国際交流基金、長崎県人会などが共同ブースを出展し、書道や生け花、けん玉といった体験コーナーを設け、日本文化の魅力を発信した。舞台では津軽三味線などの演奏も披露され、来場者の日本文化への関心を高めた。中心となる36件の文化展示の中には、普段中々触れることのできないさまざまな国が見られ、オレンジ郡の多様性と人々の懐の深さを感じさせた。

津軽三味線と東北民謡の演奏
同フェスティバルは1990年代後半、市民ボランティアによる草の根の取り組みとして始まり、2001年に市の公式事業としてスタート。地域の多文化理解と調和を目的に歩みを重ねてきた。日本文化をはじめ、さまざまな国や地域の魅力を体験できる場として定着しており、家族連れを含む幅広い世代が来場している。

日本ブースで「けん玉」の体験を楽しむ来場者
来場者の1人であるキャサリン・ウォンさんは「このイベントの最大の魅力は、精神的健康の状態や文化、民族、人種、宗教、信仰の違いを超えて、あらゆる背景を持つ人々が一堂に会し、平和的に交流できる点にある」と語る。ウォンさんはアーバイン出身でカリフォルニア大学バークレー校を卒業したばかり。現在はメンタルヘルス分野の仕事に就く一方、ポッドキャスターやラッパーとしても活動している。言語や異文化への関心が高く、多面的な活動を通じて多様性を受け入れ合うことの大切さを体現する存在だ。同フェスティバルの意義については、「音楽や食、文化を楽しみながら共に時間を過ごすことで、人々の間に幸福感や安心感が生まれ、家族のようなつながりと愛が育まれることだ」と強調した。

長崎県人会のブースでは来場者が長崎への友好の思いをボードに記入。後日長崎県に送られた
こうした思いを映すかのように、日本エリアでは当地の長崎県人会が「アーバイン—長崎メッセージボード」を設置し、来場者からのメッセージを集めていた。このボードを長崎県で展示することで、相互理解を深め、友好関係を強化することを目的としている。「長崎が好き」「行ってみたい」「日本は素晴らしい」「日本が好き」といった前向きな声が多く寄せられており、完成後は長崎県へ送付し、現地での展示を依頼する予定だ。長崎の人々にアーバインや米国の魅力を伝えるとともに、地域間の親近感や交流意識を育む効果が期待されている。一方、国際交流基金のブースを訪れた来場者からは、「日本語を学びたいが、どこから始めればよいか分からない」といった声も多く聞かれ、その多くが訪日経験者だという。



体験型の催しを楽しんだ来場者の間からは、日本への関心や再訪への意欲が自然に語られていた。同様に、各国のエリアで、人々が同じ時間と空間を共有し、文化や背景の違いを越えたつながりが育くまれた。
フェスティバルは来年は第25回の節目を迎える予定。四半世紀にわたる国際交流の歴史を振り返るとともに、次の世代へとつながる新たな展開が期待されている。
(長井智子、写真も)
