大リーグが開幕して3週間が経とうとしている。毎日、好プレー、熱戦を見せてくれ、夜のスポーツニュースを見るのが楽しい。地元チームに新加入した選手の名前と顔を覚えるのがたいへんなのがこの時期で、やはり在米日本人が気になるのが日本人選手の活躍だ。最初の野茂一人だった頃と状況は大きく異なり、今や日本選手は増え応援にも身が入る。
ロサンゼルス地域のファンにとっての注目選手は、エンゼルスに今季移籍した松井秀喜に違いない。アナハイムの球場に行くと、日本人ファンの数は昨年までと比べ増え、スタンドは日本にいるかのような様相を呈する時もあるほど。さらに、スポンサーの日系企業の看板も目立ち経済効果もばっちりである。
地元開幕戦をホームランデビューで飾るばかりではなく、その後はサヨナラヒットなどと、大きな期待に応える活躍を続ける松井秀。打順は堂々と4番を打ち、敵のバッテリーの厳しい攻めにも屈することなく、持ち前の勝負強さを見せ、相手チームにとっては、正に恐怖の「ゴジラ」であろう。指名打者だった昨年から、待望の守備にも就き、温暖な南カリフォルニアで持病のひざも心配ないようだ。
LAにはもう1人の日本人、ドジャースの黒田博樹投手がいる。両親をがんで亡くしたため、がん患者と介護者の気持ちをよく知る。がん撲滅を目指して活動する非営利団体にポーンと10万ドルを昨年寄付した慈善家でもあるだけに、私はハラハラしながら黒田の投球を見ている。過去2年は、ケガにも見舞われたため、不本意なシーズンを送った。3年契約最後の今シーズンは勝負の年。球場に足を運んで、大きな声援を送ってもらいたい。
新天地に活躍の場を求め日本から海を渡った選手は当然、野球のみならず、さまざまなスポーツにいる。ゴルフ、サッカー、カーレース、バスケットボール、アメリカンフットボールなどなど。どの選手も世界の強豪と張り合い、頼もしい。応援しないわけにはいかない。【永田 潤】