まっすぐに歩いて行けば障害があるように、誰もが大小にかかわらず何らかの障害を乗り越えていくものです。これを壁と呼ぶ場合もあるし、ハードルと例える場合もあります。どんなに順風満帆な人生に見える人でも、他の人からは決して見えない苦労や努力があるはずです。
 このように、生きていくことは、障害を乗り越えて進んでいくことだと表現されることも多いと思います。
 なぜだろう。障害がない方が幸せに決まっていると考えるのが順当なのですが、それでも生きていればいろいろな事が起こります。そして誰もが解決を試みようとします。たぶんそれは、そういった障害を乗り越えること全体を、生きていることと考えるからではないかと思います。
 生まれてきたことには理由があるからです。誰もが、その人に合った壁を登り、ハードルを越えるために奇跡的な確率で生まれてきています。まずはそのことを実感すべきだと思います。
 そして、こういった考え方は人間だけでなく、動物や植物、生きている小さな微生物などの生命体にも当てはまるのではないかと思います。必要だからこそ生まれ、決して生きていることに無駄はないのです。もちろん、私たちの生きている大地にも当てはまるのではないかと思います。
 数え切れない星の中から、途方もない時間と空間の奇跡によって、太陽系の中に生命体が生きていける絶妙なバランスを保った環境の星が誕生しました。そう、地球です。
 地球も生きています。したがって常に活動し変動しています。私たちに訪れる大自然の脅威には、立ち向かうすべがないかもしれません。
 大きな障害を乗り越える時には、大変な努力が必要です。ですが、どうぞ、あなたに訪れる試練を、あなたのものとして受け入れ、地球と共に生きているのだということを常に感じながら息を続け、そして乗り越えてください。4月は私たちにそういった地球の存在を思い起こさせる月です。【朝倉巨瑞】

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