日本政府は今、東日本大震災の被災者及び被害地の支援と復興、および原発事故や放射能汚染への事態収拾と対応に力を注いでいる。
大問題を引き起こした原発に関しその不要論が持ち上がっているようだ。現在ある火力発電および企業の自家発電を利用すれば日本の需要を十分賄えるそうな。ここで首を傾げてしまった。火力や自家発電はいわば石油を燃やして発電するわけだから、膨大なCO2を発生する。あれだけ「グリーン」だ「エコ」だとおっしゃってた見識者が、手のひら返したようにこれだ。
鉱物資源が少なく、石炭・石油は輸入に頼らざるをえない日本では、それらを燃やす火力発電より、輸出や経済に結びつく有機工学や、化学製品の製造に回した方がいい。
発電には他に、水力・風力・太陽光などの再生可能エネルギーがあるが、少ない立地面積で原発より効率が良く安全で公害を発生しないような発電方法がみつかればどんどん取り入れればいい。
今回の原発事故は、天災もさる事ながら経営陣の体質が表面化したと見られている。都合の悪いところはできるだけ隠し、なんとか内密に片付けようとした結果、収拾がつかなくなり、被害が拡大したという。情報を国に渡さない。国は回ってきた情報を公開しない。これでは付近の住民の怒りが爆発するのは当たり前だといわざるを得ない。
東電は社長自ら謝罪に回っているが、被害を被った人たちの短期・長期の補償を心がけてほしい。
総理らも何のためだか作業衣など着て頑張っているようだが、原発そのものだけではなく、放射能被害に遭われた多くの人のその後の保障もちゃんとやってほしいと願う。これらの被害はいますぐ分かるわけではなく、20年、30年と長期にわたっての追跡調査が必要になるだろう。きっちりと落とし前をつけてほしい。
「世界唯一の被爆国が原発の放射能垂れ流しなんてシャレにもならない」という内容の一文を読んだ気がする。どうか一日でも早く事態が収拾することを望む。【徳永憲治】