こんな話を聞きました。あるところに7人家族の家と3人家族の家が隣り同士にあった。7人家族の方はいつも笑いが絶えずどこから見ても幸せそうに暮らしていた。一方、隣の3人家族はいつも喧嘩や争いが絶えない家であった。そこで3人家族がお隣に「どうしたらあなたたちの家族のように幸福な暮らしができるのか?」と聞きました。すると7人家族の人はこのように答えました。「あなたの家は全員が善人で、私の家では全員が悪人だからです」このように言われた3人家族は困りはてて考えました。自分たちは善人だと言われて、なぜいつも不幸な生活を送っているのか? となりの家は悪人だと言われてなぜいつも幸福そうなのか、と。すると7人家族の人は答えました。「私の家族はみんな悪人(自分がいつも悪いと思っている人)だから、相手のことを十分に尊重して話をするから、仲たがいなどは起きないのです。一方、あなたの家族は常に善人(自分だけが常に正しいと考える人)だと思っているから、相手の話を心から聞こうともせず、結局自分の主張を通そうとして仲たがいが起こるのです」
この後の3人家族がどうなったかはわかりませんが、きっとそのことに気づき、幸福な生活になっていったのだと思います。人間が考える事の約80パーセントは否定的なことなのだそうです。できない、無理、損をする。悲しいことに人間は、物事を否定的に考えることが多い動物のようです。だから、つい天災が起きたといっては嘆き、自分の周りが悪いといっては愚痴を言い、自分のかけがえのない可能性をネガティブな思考で埋めてしまいます。一方で、できる、必ずやり遂げる、幸せになると思えば思うほど、本当にその思いが実現していくものです。自分の前に起こることは、良いことも悪いこともすべて自分の責任で起こります。そのことを理解するだけで、自分の前にはより多くの幸福がやってくるのです。【朝倉巨瑞】