ペンシルベニア州にあるコンサルティング会社「ツーリズム・エコノミクス」が発表した観光に関する最新の調査結果によると、2011年に国内外からカリフォルニア州を訪れた旅行者の観光支出が1044億ドルに達し、過去最高記録を更新する見通しであることが明らかになった。
10年の加州の観光収入は951億ドルだったが、今年はそれをさらに10%上回り、初めて1000億ドルを超える見通しとなった。
加州観光局によると、観光収入の増加は長引く不況からの脱出のきっかけとなり、国全体の景気回復にも期待ができるとしている。
さらに加州は他の州に比べ観光名所が多いことも重なり、国外からの観光客を引きつけ、いち早く景気回復が望めるのではないかと見込んでいる。
また今年加州を訪れた観光客数も昨年より4%増しとなる見通しであることが分かった。外国人観光客の数も昨年より6・9%増しで、特にメキシコやカナダからの観光客の増加が目立った。中国やフランス、オーストラリアからの観光客数は昨年より9%増加した。
外国人観光客は国内からの旅行者より滞在期間が長く、より多くの金額を消費するため、観光収入の増減に大きな影響を及ぼす。
経済予測では、今後さらに観光収入は増加し、12年には1100億ドル、13年には1150億ドルに達すると見込んでいる。
調査報告書ではさらに、国民の景気回復への不信感、株式市場の下落による富の減少、先が読めない経済状況などにより、国内消費者の支出は短期的に抑制される見通しであるとしている。
報告書はまた、加州の立地は中国や韓国など高い観光支出が期待できるアジアの国々から旅行者を呼び寄せるのに地理的に有利であるとも指摘している。
11年の加州の旅行関連産業の雇用は、全体の4%を占める89万人に達する見込みであるという。