岩下会長(左から6人目)とともに就任宣誓を行う新役員たち
 南加地区で40県人会が加盟する南加県人会協議会が12日、モンテベロ市のクワイエットキャノンで新役員就任式と親睦会を開催した。新美潤・在ロサンゼルス日本国総領事をはじめ、日系諸団体の代表者らおよそ180人が集まる中、伊藤ルイス・元ロサンゼルス郡検事の立ち会いのもと、岩下寿盛新会長(鹿児島県)と新役員14人の宣誓式が行われた。岩下会長は「日本文化の継承」と「後継者育成」の重要性を訴え、日系社会の発展のため尽力することを誓った。
就任演説を行う岩下会長
 あいさつに立った岩下会長は、東日本大震災に際し、各県人会や個人からおよそ18万ドルの義援金が協議会に寄せられたことに対し、感謝の気持ちを述べるとともに、今後も支援を継続する意向を示した。
 親睦を図り、融和することで日系社会の発展を目的とする協議会は、2年後の2014年に創立50周年を迎える。半世紀を区切りとして、「歴史を伝えることも歴代会長の役目」と訴える同会長は、南加県人会の半数以上が創立100周年を迎えた今、「各県人会の先人がこれまで残してきた歴史と文化を後世に伝えることが、日系社会の歴史を伝えることにもつながっていく」と強調。
 一方で県人会の多くが「会員の減少」「高齢化」「後継者不足」という問題を抱えていることにも触れ、若い世代に日本文化を通して県人会の存在を認識してもらい、自分のルーツに興味を持つような取り組みを行うことの必要性を説いた。
 協議会では育英奨学金制度を設け、過去32年間にわたり、日本文化の継承に励む日系子弟に奨学金を授与してきた。今後は若者に対し「実際に日本に留学し、生活を体験しながら文化の習得に努めてもらい、新たな日系社会のリーダーとして活躍してもらいたい」と力を込めた。
岩下会長(左端)から功労賞を受けた左から比嘉朝儀、佐藤芳江、稲葉要、当銘貞夫、芥川義則、井上英一、柴田錬蔵の各氏
 また二世週日本祭で過去3回開催され、協議会も主催団体のひとつであるロサンゼルス七夕祭は、日系社会の中でも一大イベントとして定着。協議会の存在も認識されつつあるとし、今後は七夕だけでなく、「日本全国の伝統文化を紹介していくこともわれわれの役割である」と訴えた。
 来賓の南加庭園業連盟の原田文夫会長と南加日系商工会議所の竹花晴夫会頭がそれぞれ前役員の尽力をたたえ、新役員の就任を祝福した。
 続いて新美総領事が壇上に上がり、昨年の震災後、協議会から多大なる温かい支援が集まったことに対し、感謝の気持ちを述べた。
 南加地区の在米日本人の数は全世界1位、日系人の数ではハワイに次いで全米2位であることに触れ、「世界最大規模の日系コミュニティーを取りまとめる協議会の会長はじめ、役員の皆様には、この1年間大変な苦労があったと思います」と比嘉前会長と前役員を労い、岩下会長をはじめ新役員に祝辞を贈った。
 就任式ではこれまで協議会の活動を影で支え、運営に携わってきた功労者に対し、感謝楯の贈呈式が行われた。比嘉前会長をはじめ、佐藤芳江書記、稲葉要通常会計、当銘貞夫特別会計、芥川義則奨学金会計、井上英一ゴルフ部会計、柴田錬蔵ゴルフ部長が表彰され、岩下会長は各人のこれまでの貢献に感謝の言葉を述べた。
 新役員は次の通り。(敬称略)
 ▽名誉会長=新美潤(在ロサンゼルス日本国総領事)▽会長=岩下寿盛(鹿児島)▽副会長=当銘貞夫(沖縄)、野田健一(群馬)、中西和彦(佐賀)、森ジョージ(宮崎)、岡本ケイ(和歌山)、西元和彦(鹿児島)、柴田錬蔵(秋田)、原田文夫(群馬)、小林正三(山形)、松岡八十次(愛媛)▽幹事=松岡八十次(愛媛)▽幹事補佐=奥田貞沖(岐阜)▽書記=ケースビア章子(群馬)▽書記補佐=小林鉄郎(千葉)▽通常会計=水谷ハッピー(岐阜)▽通常会計補佐=渡辺リチャード(福島)▽特別会計=撫養真寿美(徳島)▽特別会計補佐=当銘貞夫(沖縄)▽会計監査=大谷明義(福岡)、野田英子(群馬)、稲葉要(静岡)、平山安正(熊本)

【吉田純子、写真も】

 

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