シェフが作った料理は来場者にも振る舞われた
 日本食や地酒など日本の食文化の全米普及を目的に活動する「JFCA(Japanese Food & Culture Association)」が1月29日、ユニバーサルシティーのヒルトンホテルで「日本食と酒コレクション」と題した食の祭典を催した。有名シェフによるクッキングデモンストレーションのほか、東日本大震災で風評被害を受けた東北地方の地酒や名産品も紹介され、日本食の信頼回復と復興支援への願いを込め、さらなる日本食、酒の消費拡大と理解促進を呼び掛けた。
クッキングデモンストレーションを行う上地シェフ
 会場には寿司やカリフォルニアロール、刺身のほか、ラーメンや焼き鳥、お好み焼きなど、日本ではB級グルメと呼ばれ人々に親しまれているカジュアルフードもブースに並び、日本酒や焼酎、ビールなどの酒類、お茶なども豊富に取り揃えられ、日本酒をたしなみながら、おいしい日本食に舌鼓を打つ来場者の姿もあった。
 今回は農林水産省の支援を受け、風評被害にあった日本食の信頼回復を図り、被災地の復興支援の後押しをすることが目的のひとつに掲げられた。東北3県をはじめ日本各地から食品メーカーや酒造が参加し、自社商品を紹介するとともに、日本食はヘルシーで安心、さらに高品質であることをアピールした。
 ステージでは利き酒コンテストや、秋田名物のなまはげや太鼓のパフォーマンス、寿司早食い競争なども行われ、観客は日本食と日本文化を楽しんでいるようだった。   
 有名シェフによるクッキングデモンストレーションではビバリーヒルズの「Matsuhisa」のNOBUこと松久信幸シェフ、「Katsu-ya」の上地勝也シェフ、日本を拠点に活動する杉浦仁志シェフが参加。シェフ自ら説明しながら調理し、その模様はステージ横の巨大スクリーンに写し出された。有名シェフによる料理は、作られていく行程を普段なかなか目にすることができないとあって、ステージ前には多くの来場者が集まり、シェフが創り出すプレート上の芸術に見入っていた。
 JFCAの雲田康夫会長は「NOBUさん(松久シェフ)や勝也さんを目当てに来る人が多く、驚いた」と述べ、両シェフの注目度の高さを実感したという。前回の開催地アナハイムと違い、ユニバーサルシティーは「寿司街道」とも呼ばれるベンチュラ・ブルバードからも近く、日本食ファンが多い地域とあって、日本人だけでなく、アメリカ人の日本食ファンも多く来場した。
 B級グルメことカジュアルフードのブースに長蛇の列ができていたことに関しては、「新しい食の流れを感じた」と、雲田会長はブームの兆しを感じとっていた。【吉田純子、写真も】

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