メトロ「パープルライン」のコリアタウンのウィルシャー/ウエスタン駅から西に8・9マイル延長、ビバリーヒルズ、センチュリーシティーを通りウエストウッド/退役軍人局病院までを結ぶ(写真=メトロ提供)

 メトロは19日、鉄道事業の一つ「パープルライン地下鉄延長事業」の環境アセスメント(EIS/EIR)最終版を発表した。公示期間は30日間で、4月19日まで一般の意見を受け付ける。
 同事業は、コリアタウンのウィルシャー/ウエスタン駅が終点のパープルラインを西に8・9マイル延長、ビバリーヒルズ、センチュリーシティーを通りウエストウッド/退役軍人局病院までを結ぶ新路線。駅は主にウィルシャー通りに沿って7駅を新設する。
 開通後は、ロサンゼルス・ダウンタウンからウエストウッドまでを約25分で結び、乗車数は平日の一日平均で4万9300人を見込んでいる。予算は、2008年の住民投票で可決された消費税増案「提案 R」(渋滞緩和と交通機関改善を目的とした事業に向こう30年間計400億ドルを充当)により56億ドルを見込んでいる。
 工事は、①ラシエネガまでの3・9マイル(2022年開通予定)②センチュリーシティーまでの2・62マイル(2026年開通予定)③ウエストウッド退役軍人局病院までの2・48マイル(2036年開通予定)―の3段階に分けて行う予定で、早ければ来年秋までに第一段階の工事着工を目指す。
 メトロは26日(月)にLACMA(5905 Wilshire Blvd.)、28日(水)にウエストウッド合同メソジスト教会(10497 Wilshire Blvd.)、29日(木)にビバリーヒルズのテンプル・エマヌエル(8844 Burton Way)でそれぞれ午後5時から7時半までオープンハウスを開く。会場ではEIS/EIRの最終版を閲覧できるほか、メトロ関係者が同席し、参加者の質問に答える。
 一般からの意見を集めた後、メトロは4月26日(木)に予定されている理事会でEIS/EIRの最終版を承認する予定。
 同事業では、活断層とトンネル工事の影響を懸念し、ビバリーヒルズ統一学校区(BHUSD)をはじめ周辺住民らがビバリーヒルズ高校下を通過するルートに反対していた。しかし、地震学者や地質学者らの調査の結果、校舎地下のトンネル工事は学校区および周辺地域に影響はないとされ、EIS最終版には同高校下を走り、アベニュー・オブ・ザ・スターズ周辺に駅を設置するコンステレイション通りのルートが採用された。
 その他詳細はウェブで―
 www.metro.net/projects/westside/
【中村良子】

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