ロサンゼルス周辺の7仏教宗派で構成されるロサンゼルス仏教連合会(東本願寺、浄土宗、高野山、ロングビーチ、日蓮宗、西本願寺、禅宗寺)は11日、東日本大震災物故者一周忌法要を西本願寺で営んだ。本堂には100人を超える人が集まり、犠牲者を追悼した。
西本願寺の我孫子洋輪番による法要に続き、南加県人会協議会の岩下寿盛会長、南加日系商工会議所の中村達司さん、在ロサンゼルス日本国総領事館の新美潤総領事が代表で焼香した。
同連合会会長で、東本願寺の伊東憲昭輪番は、「われわれ仏教徒は、亡くなられた方々を仏様として拝ませていただきます。(震災で亡くなった)1万5000人以上もの大切な命も、仏法の大切な教えを伝えてくださる私たちの仏様であります。去年のこの日に亡くなられた方々は、自分の命をもって、『一人ひとりの宝である命を大切に生きてくれ』という教えを伝えてくれた。この仏様の教えを聞き続けることが、私たちの今日の課題でありましょう」と説いた。
自身も東京で震災を体験した新美総領事はこの一年を振り返り、「未曾有の惨事の中、世界中からの温かい支援を受け、日本は孤立していないと実感した」と述べ、米国の支援にもあらためて感謝。「時間はかかるが、日本は必ず復興する」と述べた。
大地震が発生した午後2時46分には、西本願寺のウィリアム・ブリオネス開教師により追悼の鐘が鳴らされ、本堂に集まった参加者は一斉に手を合わせ、黙とう。最後に参加者全員が焼香し、追悼の鐘を鳴らした。
南加福島県人会の星峰男元会長は、昨年10月に福島県を訪れた。「言葉にならなかった」と述べ、復興には時間がかかるだけではなく、原発問題などで故郷がなくなってしまうのではないかとの危機感すら覚えたという。
南加秋田県人会の柴田法子会長は、同じ東北として多くの避難者を受け入れている現状に触れ、「県人会として、そういった方々の支援を考えている」と話した。
また同日午後6時半からは、小東京の日系異教徒間グループによるキャンドルライト追悼集会が全米日系人博物館前で開かれ、多くの人が犠牲者の追悼と、被災地の復興へ願いを込めた。
【中村良子、写真も】