中央に飾られた草月流の大作を観賞する小阪さん
 日米文化会館は、日本の美術品収集家ジョー、悦子プライスさん夫妻が所有する陶器に花を生ける華道展「土と花びら」を開催している。三大流派の池坊、草月流、小原流が、それぞれの個性を生かした作品を出展。展示会は、東日本大震災の犠牲者追悼の意を込めている。
 展示は昨年に次ぎ2度目。生け花で犠牲者を弔う形で、震災発生1年の3月11日に始まった。同館芸術部ディレクターの小阪博一さんが発案し、プライスさんが、テーマにふさわしい陶器を提供した。
 
整然と並べられた池坊の6作品
展示される作品は、大小18点。陶器は、日本人の現代アーティストの作品で、口が小さいのが特徴で、花を挿すには難しい。だが、ベテランの華道家らしく、器の大きさや色、柄、形、デザインに合わせて素材を選び、上手くまとめている。個性豊かな作品が多いが、全体的に調和がとれ、犠牲者を弔いながら、来館者が安らぐことのできる雰囲気を醸し出している。
 いつもは自分で器を選ぶが、今回は小阪さんの「この器に」との指示通りに生けたことから、幾度も花を変えたりし時間を長く要した人も多かったという。小阪さんは、「陶器自体すばらしい作品ばかりだが、花を生けると、いっそう見栄えする。各先生がイマジネーションを働かせて素材を揃え、実力を発揮してくれ、いいコラボレーションになった」と高く評価している。
 華道展は、4月1日まで。入場無料。ギャラリーの開館時間は火から金曜日が正午から午後5時まで。土、日曜日が午前11時から午後4時まで。
 問い合わせは、電話213・628・2725。
 www.jaccc.org
【永田潤、写真も】

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