ハラ副本部長は日系人として、「日本で被災した人々の深い悲しみや苦労を思うと胸が痛む」と述べ「悲劇を忘れず、一日も早い復旧を願っている」と力を込めた。
新美総領事は、「トモダチ作戦」に代表されるように、「これまでの米国からの多大なる支援をわれわれは決して忘れない」と感謝の気持ちを表するとともに、「震災を機にさらに深まった日米間の『絆』を、これからも大切にしていきたい」と述べた。
集会は、ABC7のニュース番組「アイ・ウィットネス」のアンカー、デイビッド・オノ氏が司会を務め、大船渡市と釜石市で救援活動を行ったロサンゼルス郡消防局レスキューチームのラリー・コリンズ消防司令長によるプレゼンテーション、アジアアメリカ・ユース・オーケストラによるカルテットの演奏、実際に被災した人、被災地に赴いた人などによるパネルディスカッションが行われた。
オノ氏は昨年、地震発生後に現地入りし被災地の状況をレポート。先日再び被災地を訪れ、震災から1年が経過した現地の様子を取材した。会場では地震発生時の被災者の体験などを特集し、同番組でも放送されたドキュメンタリーが流された。来場者は津波と地震の恐ろしさをあらためて実感したようだった。
コリンズ消防司令長は雪が降る寒さの中、現地の消防隊員と協力して救助活動を行う様子をスライドに合わせて説明した。
カリフォルニア州はいつ大地震が起きてもおかしくないと言われ、同氏は、市民ひとりひとりの「災害へ心構えと備え」が重要だとし、津波を想定した今後の訓練の必要性を説いた。
パネルディスカッションには、日本に一時帰宅中に気仙沼市で被災したロサンゼルス在住の鵜浦真紗子さんをはじめ、被災地にボランティア活動に向かった南加地区在住の記者、精神科医、写真家らが参加し意見交換が行われた。実際に被災地を訪れた人は「今必要なのは被災者の心のケア」だと訴え、精神面のサポートの重要性を説いた。
会場には献花や焼香をする場も設けられ、ロサンゼルスから多くの人が犠牲者の冥福を祈った。【吉田純子、写真も】