創立33年を迎える日本民謡のロサンゼルス竹嶺会(西屋国弘会長、支部長=木津嶺富師、木津嶺志津師)は4日、トーレンスのミヤコハイブリッドホテルで新年親睦会を催した。今年は、日本から木津竹嶺、照子家元夫妻も出席し、ともに海外での日本民謡の普及と発展を祝した。
あいさつに立った西屋会長は、「素朴でオリジナルな感情から生まれた日本民謡は、人生の糧となる」と述べ、家元が日ごろから指導する「継続は力なり」との言葉を胸に、今後も米国内での日本民謡の普及と継承に努めてもらいたいと述べた。
また、家元の長女で民謡歌手兼太鼓奏者として活躍する木津茂理さんが、ミューズ社出版の雑誌「みんよう倶楽部」の表紙を飾り、6ページにわたってインタビュー記事が掲載されたことを発表。日本伝統の民謡を受け継ぐ次世代の代表者として生い立ちや民謡について語っており、西屋会長は「ロサンゼルス竹嶺会としても非常に心強く名誉」と会員らに報告した。
今年、南加日本民謡協会の会長に就任した鈴木博久さんは、「会員同士の絆を大切に、これからも50年、100年と伝統を引き継いでほしい」と祝辞を贈り、来年は南加民謡協会が創立50周年を迎えることから、「一緒に祝いましょう」と協力を求めた。
この日、尺八の上村佳さんと、三味線の三浦佐智子さんの2人に、家元からそれぞれ「嶺佳」「嶺佐智」の名取を命名され、集まった会員に祝福を受けた。
鹿児島県出身の上村さんは14歳で渡米、アメリカ生活が長くなるにつれ、「日本の伝統を引き継ぎたい」との思いが強くなったという。「今では自分と日本を結びつける貴重な存在」と、今後も練習に励みたいと述べた。
東京都出身の三浦さんは、「あの独特な懐かしい音色に魅かれた」と、三味線を習い始めた。「先生がとても素晴らしく、皆家族のように仲良くやっているのが長く続いた秘訣」と話した。
新年会では、「上を向いて歩こう」や「うれしいひなまつり」「宮城長持唄」など、約10曲を軽快に演奏し、最後は来賓も参加した「炭坑節」で盛り上がった。
今年で91歳になる支部長の木津嶺志津さんは創設以来、無料で指導を続けている。現在でも、ガーデナのJCI、ボイルハイツの敬老引退者ホーム、トーレンスの自宅と3カ所で指導にあたり、敬老ナーシングホームなどへの慰問も欠かさない。
生徒は10代から90歳代までと幅広く、モットーは、「練習しなさい」や「勉強しなさい」と言わないこと。家元の教えである「継続は力」を引き継ぎ、「とにかく続けてください」と生徒に優しく語りかける。竹嶺会の詳細は木津さんまで、電話310・618・6845。
【中村良子、写真も】
