ロサンゼルス市議会は21日、総額72億ドルの来年度予算案(2012年7月―13年6月)を全会一致で承認した。アントニオ・ビヤライゴーサ市長が提案していた200ポジションを超える市職員のレイオフ案は、約1600万ドルの資金調達が可能になったことから決定を来年1月まで延期した。
 このほど承認された予算案には、2億3800万ドルにも上る財政赤字を補うため、市サービスの閉鎖や縮小など約7000万ドルの削減案が含まれる。また市の緊急積立金は750万ドル増となり、これは一般会計の4・8%に相当する。
 ビヤライゴーサ市長は、削減案により赤字幅を1億9900万ドルに縮小できるとしている。しかし、新予算案は8300万ドルの限定歳入と削減策に頼っている上、うち約7600万ドルは連邦と州政府の承認が必要なため来年の1月以降にならなければ得られないことも分かっており、不安定な状態は続きそうだ。
 予算案は、市の幅広い事業で削減がなされているほか、財政赤字削減のための新たな歳入を当てにしている。主な歳入元は、駐車違反の罰金増額から約1000万ドル、閉鎖された再開発事業局(CRA)からの住宅関連費用4860万ドル、消防局が提供する救急車サービスに対する州からの返済約2850万ドルなど。
 赤字削減策の多くを将来の収益予想に依存している点に不安を感じる市議も多い。しかし予算財政委員長のポール・クレコリアン市議は、同予算案を「未完成」であるとしながらも、市の構造的財政赤字の削減に向け継続的な取り組みが必要とした。
 このほか予算案には、駐車場関連の特別基金から3260万ドルを一般会計に移し、基本的な市サービスに充てる案や、パートタイム救急車6台と老朽化した消防車1台の修理費確保、また消防隊員の応答時間短縮のための対策費なども含まれた。
 一方削減案として、市法務官代理は7月1日以降34日間の休暇を取らなければならない。これにより、市は940万ドル削減できるとしている。また、女性やマイノリティーの採用促進に充てられていた消防局特別基金も削減の対象となった。
 さらに市議会は、バンナイスとサンペドロで行われていた市議会の中継放送を中止し、2万1000ドルを削減する案も合わせて承認した。同案にはバーナード・パークス市議が「市は市民の反対を表明、また該当地域を選挙区とするリチャード・アラコーン、ジョー・ブスカイーノ両市議も反対したが、聞き入れられなかった。

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *