現代女性が追い求めるものとは何でしょう?
 お金、素敵なボーイフレンド、幸せな家庭など、人によって価値観はさまざまだが、答えの中でもっとも多かったのは「キャリア」だった。
 2010年から11年にかけてピューリサーチセンターが行った全米調査によると、18歳から34歳までの女性の66%が「仕事に就き、高収入を得ることが人生でもっとも重要である」と答えたという。
 15年前(1997年)に同じように答えた女性は56%だったことから、近年、確実にキャリア志向の女性が増えていることが伺える。
 確かに私の周りだけを見てもキャリア志向の友人は多い。
 学生時代に授業で行われたグループディスカッションでも「10年後、どんな自分になっていたいか」との質問に、女子生徒のほぼ全員が、「仕事を続けキャリアを築いていきたい。仕事を通して成功したい」と答えていた。米国ならではの女性の自立精神を垣間見たような気がした。
 35歳から64歳の女性でも42%。15年前の26%と比べ、増加は顕著に表れる。
 女性がキャリアを重視し、社会進出を図る傾向が強くなるとともに、教育の需要も伸び、18歳から24歳までの女性の大学進学率は44%(2010年10月調査)。同世代の男性(38%)よりも高い。しかし給与は、男性の1週間の平均給与額が824ドルであるのに対し、女性は699ドル。さらに女性は男性より就職先が見つかりにくいという。
 加州ではシングルマザー10人中6人が働いている。育児などが原因でいったん職場を離れると再就職は難しく、新たなスキルを身につけキャリアチェンジを図ろうとしても、度重なる州予算の削減で大学の授業料は上がり、ジョブトレーニングやチャイルドケアなどのプログラムもカットされている。
 キャリアを構築する機会すら奪われ、さらに厳しい現実が彼女らを襲う。
 キャリアを求めバイタリティーに満ちた女性はたくさんいる。そうした人々の活躍の場を増やすためにも、加州知事には前途ある人々に有益な予算案を提案して頂きたいところだ。【吉田純子】

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