サクラメント郊外にある会津藩にゆかりのある「若松コロニー」で、19日(土)午前10時から午後3時まで、日本祭が開かれる。
 同コロニーは アメリカ川で砂金が見つかった1848年の「ゴールドラッシュ」で知られる「ゴールドヒル」と呼ばれる地域にあり、明治維新後の69年に約20人の元会津藩の武士らが新天地を求めて入植、養蚕やコメ、お茶の栽培などを試みたとされる。コロニー跡地に「おけい」という名の女性の墓石があり「アメリカで最初に亡くなった日本人女性が暮らした場所」とされる。入植100年後の1969年に当時のロナルド・レーガン州知事が「カリフォルニア・ヒストリカル・ランドマーク815号」に指定し、以来日米交流のシンボルとなっている。
 同コロニー跡は過去137年間にわたり、個人所有の牧場の一部となっていたが、地元の非営利団体「ARC(アメリカン・リバー・コンサーバンシー)」が2007年から募金活動を始め、10年、272エーカーの土地を約320万ドルで購入することに成功。バーバラ・ボクサー上院議員らも支援、羅府新報の読者約150人も募金に参加した。現在、2019年の「若松ティーアンドシルクコロニーファーム」の開設を目指して家屋の修繕などが着々と進んでいるが、まだ130万ドルの資金が必要という。同施設は歴史を伝え、異文化に対し興味を深めるための教育施設を目指す。
 こうした動きを受けて、市民の理解を深め、支援を求める目的でARCとサクラメント日系市民協会が祭りを共催。祭りは午前10時に「おけいの墓」の墓参で始まり、地元小学校の生徒による「春が来た」の歌唱、在サンフランシスコ日本総領事による桜の植樹、刀のデモンストレーション、歴史のディスカッションなどがある。
 チケットは前売り15ドル(10歳から18歳は7ドル)、当日券は20ドル (同10ドル)、10歳以下は無料。
 日本祭の問い合わせはARCまで、電話530・621・1224。
 www.arconservancy.org

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