近現代歴史研究会(今森貞夫主宰)は6月11日(月)午後6時半から9時まで、歴史文学講座をトーレンス・プラザホテル(20801 S.Western Ave.)で催す。今回は、胡桃短歌会主宰でエッセイストの鈴木敦子さんを講師に迎え、日本を代表する詩歌人、言葉の天才・北原白秋を取り上げる。
 白秋は、福岡柳川に地方有数の商家の長男として生を受けた。水郷柳川は隆吉少年の心を豊かに育み、のちに「柳川はわが詩歌の母体である」と言わしめている。詩歌人といえば、古来、清楚な心で花鳥風月の自然美を詠うことはもち論、人の心の機微を巧みに詠いあげる文才に長けた人物といわれる。なかでも白秋は若くして文壇にデビュー以来、生涯にわたり作詞家として希有な才能に恵まれ明治・大正・昭和にかけ、近代詩歌の発展に多大な影響力を与えた。
 それゆえ、彼が手がけた抒情詩、短歌、童謡、校歌、社歌の作詞数は他に比類なく多い。詩集「邪宗門」「落葉松」「帰去来」、童謡「ゆりかごの唄」「あめふり」「この道」「待ちぼうけ」「ペチカ」、民謡「チャッキリ節」などで親しまれている。今も変わらぬ白秋の人気の秘密は、若き日の豊かなロマンと童心期、その後の厳しい悲恋と貧困の超克期、そして盲目時に幽玄の世界を詠う詩歌は万人の心に響くのだろう。
 講演会では、青年白秋の実家の破産、人妻との苦しい恋の後に出した詩集により、一躍時代の寵児となっていく過程、生業につかず、詩歌人としてだけ生きた白秋の生涯を映像と併せ探っていく。
 参加費は1人15ドル。要予約。詳細および予約は近現代歴史研究会まで、電話1・800・479・0667またはメールで—
 momentum5555@sbcglobal.net

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