元ロサンゼルス在住で、わずか12歳でシカゴ大学医学部大学院に入学した日系人の矢野祥さん(21)が8日、同校始まって以来、最年少の博士号取得者として卒業する。
日本人の父と韓国人の母を持つ矢野さんは、オレゴン州ポートランドで生まれた。IQ値は200以上で、ギフテッドと呼ばれる先天的に平均よりも著しく高い能力をもつ人のための学校である、ロサンゼルスのマーマン・スクール(Mirman School for Gifted Children)に通い、幼少期はロサンゼルスで過ごす。
3歳までに読み書きを習得し、5歳でピアノの作曲をはじめ、8歳の時にSAT(大学入試全国統一テスト)で1600満点中1500点という高得点を記録。9歳でシカゴのロヨラ大学に入学し、3年後に最優秀の成績で卒業した。
その後、大学院医学部への入学を希望するが、米国の大学院医学部への平均入学年齢は23歳。多くの大学が矢野さんの若すぎる年齢を理由に入学を拒否した。そんな中、シカゴ大学は入学を許可し、2003年、13歳の時に晴れて入学を果たす。専攻は分子遺伝学と細胞生物学。
クラスメートや教授陣は、矢野さんを「バッハとギリシャ神話をこよなく愛する優しく謙虚な学生」だと口をそろえる。
ピアニストとしても活躍し、テコンドーは黒帯の腕前である。
多くの人を助けたいとの思いから医学の道を志した矢野さんは、卒業後5年間は小児神経学の研修医として医療現場に携わる予定だという。