奨学金を受け取った(左から)マエダさん、ヨシイさん、ヒジマさん、トミタさん、代理で出席したカトウさんの父、達郎さん
 南加和歌山県人会(有地敏弘会長)は5日、ブエナパークのジョージ・ベリス公園でピクニックを開催した。南加地区の日系諸団体の代表や、他県の県人会からも来賓が訪れる中、会員やその友人などおよそ250人が集まり、功労者賞や奨学金の授与式が行われ、日本民謡やゲーム、盆踊りなどの余興を楽しむとともに、会員同士交流を深めた。
感謝の気持ちを込めてオペラ、ジャンニ・スキッキの「私のお父さん」を熱唱するウォンさん
 有地会長はあいさつで、6月に和歌山県を襲った豪雨の影響で、各地で住宅への浸水や道路の大規模冠水が発生したことなどを受け、1日も早く復旧し、県民に元の生活が戻ることを願った。
 また昨年は100周年記念式典を盛大に催したことから、ピクニックは行われなかったため、「今年は去年の分まで楽しんで下さい」と会員らに呼び掛け、ピクニックはスタートした。
 同県人会では奨学金制度を設けており、和歌山県に所縁があり、高校を卒業し大学進学を控えた子どもたちに毎年奨学金を授与している。今年の受賞者は、ケリー・ヨシイさん(UCバークレー校)、エミリー・マエダさん(CSUフラトン校)、クリスチャン・トミタさん(UCサンタバーバラ校)、ダン・カトウさん(UCアーバイン校)、リサ・ヒジマさん(UCマーセド校)。5人は同県人会のサポートに感謝の気持ちを表すとともに、有意義な大学生活を送ることを誓った。
 さらに同県人会には、和歌山県への短期留学プログラムもあり、選ばれた学生は2週間の日程で、ホームステイ体験のほか、現地の学生との交流、名所観光などを通して日本文化を学ぶことができる。
 今年選ばれたのはケルシー・ウォンさん(ウィティア・カレッジ)とデビッド・カリカさん(スタンフォード大学)の2人。
似顔絵ゲームで和歌山県が生んだ偉人のひとり松下幸之助の顔を仕上げていく参加者
 欠席のカリカさんに代わり、ウォンさんがあいさつに立ち、「みなさんからのドネーションのおかげで、自分のルーツである和歌山県に初めて行き、生涯に残る思い出をつくることができました」と感謝の言葉を述べた。
 母方の曾祖父が和歌山県から移民したというウォンさんは、滞在中に親戚に会うこともできた。秋学期には日本語のクラスを履修し、将来は日米の懸け橋になれるような医師を目指す。
 続いて行われた功労者賞の贈呈式では、同県人会の運営に長きにわたり携わった前会長の岡本啓三郎さん、前副会長のフランク交野さん、前婦人会長の今井紀代さん、そして有地会長の4人に記念の盾が贈られた。
 この日は、モントレーパーク市と姉妹都市である和歌山県那智勝浦町の短期プログラムで訪米中の高校生、井戸郁也さんと仁木龍登さんも参加。出来立てのホットドッグとハンバーガーをほおばり、米国ならではのピクニックを満喫したようだった。
 昼食のあとは、日本民謡研究会と松豊会によるエンターテインメントのほか、玉入れや餅まき、盆踊り、有地会長自らが考案した同県ゆかりの人物の似顔絵を、目隠しをして完成させていくゲームを楽しみ、会員たちは親睦を深めた。【吉田純子、写真も】

功労者賞を受賞した(左から)交野さん、岡本さん、今井さん、有地会長

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