前半戦を終えた幕間には、イベントの収益からの寄付金の贈呈式が行われ、南加県人会協議会会長の岩下寿盛さんに1000ドルのチェックが手渡された。岩下さんは楽唱会の活動を称賛し、謝辞で「依然として避難所生活を強いられている被災者もいる」と力を込め、継続した支援を訴えた。途中審査が告げられ、白組が459—457と僅差でリード、両者互角に競り合った。
後半戦は、各組ベテランの実力者を次々に投入。両軍一歩も譲ることのない一進一退の攻防が、最後の最後まで続いた。白組のトリは「玄海あばれ太鼓」を歌った福島広志さん、大とりを「桜の如く」で紅組の西さゆりさんが締め、全出場者が歌い終えた。結果は、白組877点、紅組862点というわずかな差で、白組が2年連続優勝を飾った。
日本から招いたゲストが登場しイベントに花を添えた。津軽三味線と坂東流舞踊の花園直道、あずみ、日舞の五條詠三が共演した。
桜井は、ポップなどに押され、若者の演歌離れを憂う。日本の歌謡界とは裏腹に当地では演歌が根強い人気だと知り「とてもうれしい。『日本=演歌』という心をこれからも大切にしてほしい」と願った。ノリのいい観客に対しては「とても温かく迎えられ、元気になってもらう気持ちで来たけど、逆に励まされた」と述べた。
審査委員長を務めた奈良佳緒里さんは、歌合戦を総評し「紅、白ともにみんながんばった。とても感動的なショーだった。これからもがんばって、ずっと歌い続けてもらいたい」と期待を寄せた。菊地会長は「お客さんが盛り上がった紅と白、どっちが勝ってもおかしくない、いい歌合戦だった。楽唱会を支えてくれたスポンサーやボランティアに感謝したい」と称えた。【永田潤、写真も】