南加地区で吟道に励む各流派の吟士たちの交流を深めることを目的に始まった同会は今年で48回目を迎えた。
第1回目から参加している大東国岬さんは、「流派は違っても、学ぶ姿勢はみな同じ。吟士たちは常に互いを尊敬し合い、練習に励んできた」と振り返る。
大会は毎年、各会の会長が交代で代表を務める。今年は錦友会の重川昭水氏が担当。この日のために練習に励み、会場運営を行いながら大会を陰で支えた吟士たち に労いの言葉を送った。
さらに同氏は、トーレンス市やガーデナ市を含むサウスベイ地区では若い吟士の姿も目立つが、ウエストLA地区では高齢化が進んでいることを受け、「今後はさらに若い人の参加を呼び掛けたい」と抱負を語った。
大会は「富士山」の合吟に始まり、続いて各流派の参加者たちによる吟詠の部に移った。
詩吟は時代背景や作者の心を学ぶことも重要視され、吟士たちはただ吟じるだけでなく、日頃から歴史なども熱心に勉強しているという。
吟友が舞台に立っている時も、ほかの吟士たちは当時の情景を思い起こそうとしているかのごとく静かに目を閉じ、互いの吟に聞き入っていた。
詩吟歴27年という黒崎国翠さんは退職後、以前から詩吟を習っていた夫の影響で始めたという。92歳を迎えた今も変わらずに続ける理由として、「詩吟が健康維持に役立っている」と語り、違う流派の吟士たちとの交流を楽しんだ。【吉田純子、写真も】