4年ごとに11月の第一月曜日の次の火曜日、つまり今回は6日が大統領選の投開票日。予備選から始まって長丁場の大統領選まであと2週間。いよいよ最後の秒読み段階に入った。
 正式には6人いる大統領候補の誰が第57代大統領に当選するか、世界中が注目している。6人の候補と言っても、実際は民主党のオバマ大統領と共和党のロムニー前マサチューセッツ州知事の争い。
 各種の世論調査を総合すると、形勢はほぼ互角と言われているから、ワールドシリーズの優勝争いにも似て賭けも行なわれているようだ。メジャーリーグは優勝チームが決まれば、それでおしまい。ビールやシャンパンを気の済むまでかけ合ったらいい。
 しかし、大統領選の勝敗は今後4年間のわれわれの生活に関係してくるから、否応なしにその結果は気になるところ。1票の重みが問われているが、どうしても6日は都合がつかないという人は、期日前投票を利用すればよい。
 この期日前投票は全米約40州で認められ、すでに始まっている。最新の調査では、期日前投票を済ませた有権者のうちオバマ大統領に投票した人は59%に上り、31%のロムニー氏を大きくリードしている。
 選挙日前に投票を済ませる人は近年増加の傾向にあり、2004年の選挙では投票総数の23%だったのが、前回は31%に拡大。今回は35%を超えると見られている。
 それほどに、皆それぞれに忙しく働いているのだろうが、ロムニー氏に言わせれば「それでも47%の国民は連邦税を払わずに、政府の援助にすがっている」だけの存在。同氏は後にこの発言を撤回したが、選挙戦のための撤回で、内心は「事実を言ったまで」と開き直りたいところだろう、と安易に察せられる。
 ところで、「時は金なり」はアメリカ人の好むことば。この時期、ニュアンスは異なるが「選挙は金なり」もよく耳にすることば。好むと好まざるとにかかわらず、数ある住民(あるいは自治体)によるプロポジションはお金がらみの提案ばかり。
 大統領選と同様に、こうした提案の賛否についても選挙広告に踊らされずに、自分でじっくり考えてから投票用紙に向かわなければならない。【石原 嵩】

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