井上名誉会長が今から40年前に創設した同会は、ロサンゼルス地区をはじめサウスベイ地区、オレンジ郡で書道教室を持つ。各教室でこれまでに書道を習った生徒は2000人を超えるといわれ、「字は人なり」との教えのもと、日本文化の普及に努めるだけでなく、日系コミュニティーとの文化交流にも貢献してきた。
「字が上手になりたい」との思いから18年前に入会した梁重石理事長は「長く続けてこられたのは井上先生の指導のおかげ」と尊敬の念を込めて語る。
昼餐のあとのエンターテインメントでは同会生徒の吉見愛鶴さんによる講談「王羲之伝」が行われた。
池の水が真っ黒になるまで練習するほど努力家であった書家・王羲之は、立身出世を望まず誰に対しても誠実な人柄で、趣味の合う友人と健康な体だけを望んだ人物であったことなど、王羲之の生涯を通して書道の歴史を迫力ある力強い声で解説した。
あいさつに立った井上名誉会長は、教え始めて40年が経過し、「ついてきてくれた生徒全員に感謝したい」と述べるとともに、「書道に年齢は関係なく、いつでも始められる。今後も生徒を増やし教え続けたい」と気持ちを新たにした。
教室開設と同時に入会し、井上名誉会長の最初の弟子である熊野新会長は「井上先生を見習って、今後も同会の発展のために尽くしていきたい」と意気込んだ。
昼餐会ではほかに、書道展受賞者への表彰状の授与式が行われ、生徒たちは仲間の受賞をともに喜んだ。【吉田純子、写真も】