激しく動いた2012年が暮れてゆく。今年は世界各国の指導者が交代した年だった。
国内では3年間迷走を続けた民主党政治に国民の審判が下され、予想外の大差で自民党政権が復活、景気回復と外交など国の立て直しに期待がかかる。海外でも相次いで各国の指導者が交代し、主なところでも、台湾、ロシア、フランス、北朝鮮、中国、韓国と主要な国々で新体制がスタートした。来年は新指導者による世界の枠組みが模索される。袋小路に迷い込んだような閉塞感の満ちるなか、世界の人々が新指導者にその打開を期待している。
吉田松陰が幕末の勤王志士たちに「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に成功なし…故に、夢なき者に成功なし」という言葉を残したそうだ。すべての生き物には終わりがある。人が理想を抱き、志を持ってどのように努力をしようと、死の瞬間にはまだまだやり残したと思うことが残る。やりたいことには終わりはないが、日々をどう生きたかでその人の満足度は違うのであろう。
来年は、それぞれの理想と信念を掲げて国を主導する各国の指導者たちに、実りある成果と調和の世界秩序を築き上げてもらい、悔いなき年にしてもらいたい。
さて、振り返って自分たちはどうだろう…。雑誌『致知』の小笠原節子さんの「言葉の散歩道」から次の言葉を紹介したい。
ゲーテの言葉として「生きている間はいきいきとしていなさい」「いつかはゴールに達するというような歩きかたではだめだ。一歩一歩がゴールであり、一歩が一歩としての価値をもたなくてはならない」を紹介している。はたして自分のこの1年はどうだったか? 反省とともに新年への覚悟を新たにしなくてはなるまい。
12月22日は24節季の「冬至」、昼が一番短く夜がもっとも長い。言い換えれば、ここから万物は新しい命・新しい活動が始まる。昨日よりも今日が、今日よりも明日がより良い日であれと願い、各地で冬至の行事が行われた。
新年が、皆さまにとってよき年でありますように! 一歩一歩の歩みを大切に、日々をいきいきと生きられますように!【若尾龍彦】