交流会で乾杯する鹿児島県から訪れた関係者ら
 かごしま茶の流通の拡大と茶業振興を目的に活動する鹿児島県茶業会議所が11月27日から12月4日までの期間、鹿児島県茶商業協同組合、鹿児島県茶生産協会、特産品関係者ら23団体32人を率いてロサンゼルスを訪れ、かごしま茶のプロモーション活動を実施した。

ミツワマーケットで開催された物産展でかごしま茶を試飲する加藤由紀子さん(手前)
 期間中、かごしま茶の商談会やセミナー、全米お茶協会や南加鹿児島県人会との交流会も行われ、今後3年間行われる米国でのかごしま茶の普及活動の足がかりを作った。
 鹿児島県は静岡県に次いで茶の生産量全国2位を誇る茶の産地。味はまろやかで濃厚、種類も豊富なことから人気が高く、多くの人に親しまれている。大型経営が行われており、新茶が流通するのが一番早いことでも知られている。
 米国は日本茶の最大の輸出国であると同時に、近年の健康志向の高まりから日本食をはじめ日本茶にも注目が集まってきており、こうした背景を生かし「今後、日本緑茶の輸出の増大を目指していきたい」と鹿児島県茶業会議所の永峯更一・専務理事は力を込める。
 29日には、トーレンス市のミヤコハイブリット・ホテルで一行と南加鹿児島県人会(西元美代子会長)との交流会が催され、新美潤・在ロサンゼルス日本総領事をはじめ、日系諸団体の代表者、同県人会メンバーなどおよそ100人が集い、かごしま茶の米国での普及活動を応援した。

「かごしま茶の普及に協力したい」と述べる西元会長
 あいさつに立った新美総領事は、各国の来賓を公邸に招く際は日本食でもてなし、最後には必ず日本茶を出すことに触れ、今後日本の食文化が米国でさらに根付くことに期待した。
 米国で日本食文化の発展に貢献してきた共同貿易の金井紀年会長は自身の経験から「茶がどうしたら米国人の生活に根付くかを調査し、1つでも良いアイデアが見つかったら5年でも10年でもそれにこだわり探求してほしい」とアドバイスした。
 鹿児島県人会の西元会長は、「かごしま茶の普及に今後も協力していきたい」と述べ、一行にエールを送った。
 トーレンス市のミツワマーケットでは11月29日から12月2日までの4日間、鹿児島物産展が開催され、かごしま茶のほか、寒干たくあんや鹿児島県の名産品の紫芋や黒糖を使った菓子、味噌や醤油などの調味料も販売された。
 客層の7割は日本人、3割が米国人で、ポリフェノールが豊富で健康に良いとされる紫芋のチップスなどが人気を博し、多くの来場者から健康に配慮する姿が垣間見られた。
 物産展を訪れた加藤由紀子さんは「かごしま茶はこくがありとても美味しい。本場の味を米国で味わえるのはうれしい。各社の人が商品の説明もしてくれるので安心して購入できた」と買い物を楽しんだようす。
 1、2日には、かごしま茶と同県名物の和菓子「かるかん」が1ドルで味わえる「1ドル茶屋」と薩摩揚げの実演販売も行われ、来場者は鹿児島県の名産品に舌鼓を打った。【吉田純子、写真も】

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