選抜チームは、昨秋の県大会で活躍が認められた甲子園大会出場経験者を含む選りすぐりの2年生18選手。限られた9日間の遠征は、あいにくの雨がちの天気で思うような練習ができなかったが、試合では力の米国に対し、堅守や送りバントで進塁、得点するなど、基本に忠実な日本のスタイルで立ち向かった。
伊藤優世主将は、米国の野球を「パワーが日本と違った」と脱帽気味。打者は、長身投手が投げ下ろす速球に苦戦したといい「コントロールがよくて速く、落差があるので、打ちづらかった」と評した。変化球については「速球が速いので、スライダーやカーブが生きていた」と分析し、日本の高校野球ではあまり見られないチェンジアップは「速球の後に投げられることが多く、タイミングをくずされ勉強になった」と収穫を得た。米遠征を「同じ野球なのに育ち方1つでプレースタイルが違って、アメリカのダイナミックさを感じた」と振り返った。「選手
日本が負け越した一番の原因を小枝監督は、打撃の不調を挙げた。「球が速く、差し込まれたことが多かった」と、パワーピッチャーに手を焼いた。相手打者については「甘い球を逃さず捉える。集中力と積極性があり、1球に対する取り組みがアグレッシブで、本場の野球の原点を見た感じがした」と話した。
一方の日本の野球を同監督は見直す必要があるとし「型にはめ過ぎては、(個性が)伸びるものも伸びない。基本は大事にしなければならないが、アメリカのように自発性を持たせなければならない」と、選手のみならず指導者も米国から吸収した点が多いとし、遠征の重要性を説いた。
濱井団長は、優秀な選手が揃った同チームについて「刺激し合って、チームワークが生まれ、県のレベルアップにつなげることができたと思う」と話し、米遠征の意義を強調。「ここでの成長を各学校、各地域に帰って見せて、野球の取り組みの違いや文化の違いなどを伝えてほしい」と希望した。
UYAのビショップ監督は、日本のトップレベルの中高生チームと幾度も対戦しており、その実力の高さを認める。今回の千葉選抜については「基本がしっかりしていて、チームワークがある典型的な日本の野球をするのが印象的だった」と述べ、今年6月に予定する日本遠征に意欲を示した。【永田潤、写真も】