創立27年目を迎えたオレンジ郡日系協会(OCJAA、会員300人)は3日、新役員就任式と功労者表彰式をアナハイムのホテルで催した。新役員就任式では、ヤマハ音楽教室を経営する藤田喜美子さんが同会発足以来初となる女性会長となり、会場に集まった来賓および会員ら約200人が祝福。同会の長年にわたる社会貢献に敬意を表するとともに、さらなる繁栄を祈った。
女優タムリン・トミタさんの軽快な司会の下、就任のあいさつに立った藤田新会長は、過去の会長や先輩メンバーらの功績に触れ、「(会長という大役は)自分は適任ではないと思った」と謙遜しながらも、「先輩方から学んできたことを生かしながら、新役員メンバーらと力を合わせ活動していきたい」と意気込みを力強く語った。さらに、インターネットの普及により情報収集がたやすくになり、世界がより身近に感じられるよう変化したことに触れ、会の運営方針も新たなビジョンのもと変化していく必要があるとした。
今後は、イベントや役員会を日英両語で行うなどし、「日本人、日系人にとどまらず、日本語を勉強している学生や、日本を愛するすべてのオレンジ郡在住の人にも門戸を開き、コミュニティーのニーズに応えられるよう努力したい」。また、「他の日系団体との横のつながりをさらに強化し、一緒にイベントや活動を行っていきたい」など、抱負を語った。
同会設立メンバーの1人で、1996年から2004年、また2011年から13年の計10年間にわたり会長を務めた内藤ジャック前会長は離任のあいさつの中で、「非営利団体のトップとしてさまざまな方と出会い、学校では教わらない貴重な経験を積むことができた。これは自分にとって大きな財産」と述べ、「今までのOCJAAの道のりは決して楽ではなかったが、皆さまの協力のおかげでこのような発展を遂げることができ、微力ながらも社会貢献を続けられることは感無量」と、礼を述べた。
壇上では、「これで終わりではないので、これからもお力を」と、藤田新会長から功労賞の盾が贈呈された。
この日、長年にわたるコミュニティーへの貢献をたたえる功労賞授賞式も行われ、今年は、マルコメUSA社、福井葬儀社、久保田日系葬儀社の3社と、長年ボランティアとして尽力した矢崎由起子さんにそれぞれ感謝の盾が贈呈された。
在ロサンゼルス日本総領事館の新美潤総領事、JBAオレンジ郡地域部の中村俊司筆頭会長、南加日系商工会議所の青木義男会頭、南加県人会協議会の岩下寿盛会長がそれぞれ祝辞を述べ、OCJAAによるさまざまなコミュニティーサービス、社会貢献をたたえ、互いに協力し合いながら社会のために尽くしましょうと呼びかけた。
OCJAAでは、新年会、高校生を対象とした奨学金捻出のためのゴルフトーナメント、敬老感謝と日本文化学習者に対する奨学金授与式のメインイベントをはじめ、毎月一回ニュースレター「オレンジネットワーク」の発行、社会福祉情報提供と照会、無料予防接種、介護者の集い、健康セミナー、教育セミナー、地域社会団体との協力など、多岐にわたるサービスを提供している。
OCJAAに関する詳細は、電話714・283・3551または、メールで―
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【中村良子、写真も】