米国で生活しているわれわれは知らず知らずのうちに大量の塩分を摂取していることにお気付きだろうか。特にファストフード。ハンバーガーやピザなど手軽に安く食べられるチェーン店が至るところにある。しかし、同じファストフードチェーンでも米国と他国の店舗とでは塩分量が違うことが最近の調査で明らかになった。
例えば、米国マクドナルドで販売しているチキンナゲット。英国のものと比べるとおよそ1・6倍もの塩分が含まれている。フランス、オーストラリア、ニュージーランドも米国と比較すると塩分量は少なく、さらにバーガーキング、ドミノピザ、KFC、ピザハット、サブウェイでも米国の店舗がもっとも塩分量が多いことが分かった。
塩分の過剰摂取は高血圧症や腎臓疾患のほか、脳卒中や心筋梗塞など循環器疾患を引き起こす危険性がある。消費者に聞いてみると味に大差は感じられないというから米国の店舗は塩分量を見直す必要があるのではないだろうか。
一方、米国人の大好物マカロニ・アンド・チーズ。米国で販売されているクラフト社の同商品には他国のものには含まれていない着色料黄色5号と6号が添加されているという。
英国をはじめノルウェーやオーストリアでは、食品への黄色着色料の添加は禁止されている。黄色着色料は石油を原料とし、子どもの多動性障害や片頭痛、さらにはがんを引き起こす危険性もあると懸念されているからだ。
こうした事実を受けノースカロライナ州のフードブロガーで母親でもある2人の女性がクラフト社に米国でも欧州と同じように着色料を含まないマカロニ・アンド・チーズを販売するよう促し、これまでに2万5000人分の署名を集めた。2人が同社の米国版と英国版をそれぞれ食べ比べてみると味にまったく違いはなかったという。
健康への悪影響が懸念される塩分や着色料が過剰に含まれている米国の食品。各社が見直すだけでなく、米政府も今後さらに厳しい規制を設けるべきではないだろうか。【吉田純子】