榧本流米国錦龍吟詠会(森川洸龍会長、6支部、会員約35人)は9月29日、「秋季吟詠大会」を西羅府仏教会で催した。年内最後の大会とあり、会員は日々の練習の成果を最大限に発揮した。
同会は、今年から南加詩吟連盟への加盟が認められ、8月に行われた二世週日本祭吟詠大会に参加。今まで以上に、流派を超えた横のつながりを強化したいとしている。またこの日は、兼ねてから交流のある羅府国誠流詩吟会のメンバー8人を来賓として招待し、互いの流派に敬意を示すとともに、吟を通じた交流を深めた。
森川会長は、会員数減少が続いていることに触れ、「今では詩吟や漢詩を教える学校も減り、詩吟を知らない世代が増えてきた」と問題点を指摘。さらに、「詩吟は奥が深く、それが詩吟を長く続けられる魅力でもあると同時に、今日始めて明日マスター出来るものでもなく、詩吟を知らない人には難しく映ってしまうのかもしれない」と述べ、「収容所時代から続くアメリカでの詩吟の歴史を終わらせたくない」と、今後も興味のある人には常に門戸を開いていたいとした。
吟詠大会では、会詩斉唱に始まり、会員吟詠、来賓吟詠、指導者吟詠と続いた。
この日はまた、春に「雲」の称号に昇格した江夏慶雲さんと、新沢陽雲さんがあらためて紹介され、この日出席した江夏さんに植野宗龍宗師範から賞状が手渡された。
植野宗師範は、同会が来年創立10周年を迎えることに触れ、「他流派の方たちとのつながりをさらに深め、気持ち新たに吟道精神に精進したい」と意欲的に話した。
【中村良子、写真も】