2月から基礎を徹底的に習った生徒たち。「写真は構図がすべて」と力説する講師の教えを守ったことが、個々の作品の随所に表れている。構図の決定は、被写体を真ん中に捉える「日の丸写真」を極力避けたため、フラットな写真は見られない。花々と山海、川面を並んで進む鳥3羽、海に沈む夕日など、複数の被写体を重ねて立体的に撮った工夫が見て取れる。中には、真っ赤な夕日に花を合わせ、シルエットにした芸術作品も見られ異彩を放っていた。
クラスは、高齢者が多い生徒に合わせ、コンパクトで気軽に撮ることがモットー。作品はコンピューターの画像処理を行わず、オリジナルに近い状態で飾った。写真は近頃、コンピューターや携帯電話のモニターで見るだけの人が多くプリントする機会が滅法減っている。だが、今回作品を大きく引き伸し、披露したことで生徒は自信を付け、今後の作品作りの励みになったという。
来場者の高野裕子さんは、トラベルコーディネーターを職業とする。世界の各地を旅し写真を撮るが、撮影は苦手なため同写真教室に入って学ぶ意志を示し「上手に撮って孫たちに見せたい」と話した。講師の岡田信行さんは、クラスで次々に質問を受け対応したことで「生徒のやる気を感じた。教える側が圧倒されるほどで、写真に対する情熱が一人ひとりの作品ににじみ出ている」と、教え子の努力を誉めたたえた。
来期の写真教室は、来年2月に開講予定で、日本語で誰でも受講できる。
詳細はパイオニアセンターまで、電話213・680・1656。
【永田潤、写真も】